NHKでも大反響。老朽化で買い手がつかぬ「限界マンション」の惨状

 

で、なぜ「限界マンション」になるかを、修繕積立金不足と滞納、すなわちお金の問題ととらえていました。修繕積立金不足に陥らないためには、長期修繕計画を立て、修繕積立金を段階に上げていくのではなく、必要額を最初から均等方式で積み立てるべき…とお約束の解説がありました。滞納に関しては、管理組合が、法的な手続きを経て滞納がある部屋を競売にかけ所有者を変える。競売で買い手がつかなかった場合は管理組合が費用を支出して部屋をリフォームし中古マンションとして不動産市場で売却する。ということを実施にやっている事例が紹介されました。

で、高齢化が進み、金銭的な問題を抱える人が出ることに備えて、滞納者を追い出すのではなく、救済する仕組みを整えた管理組合として西京極大門ハイツが紹介されていました。管理組合が実施するリバースモーゲージです。管理費等が不足した場合、住まいを担保にお金を借りられ所有者が亡くなったときに借り入れを返済する仕組みです。

管理費払えなくなっても住み続けられる安心

西京極大門ハイツの取材では、数々の先駆的な取り組みを話された中で、この部分が番組で取り上げられたと思います。いざというときにこの制度があって安心だという居住者の声も放映されました。

高齢居住者が多くなった高経年マンションでは、お金の心配をなくすことが将来への投資のモチベーションに繋がります。たとえ、多少の貯金はあっても、将来何があるかわからない…自分の寿命を考えたら将来への投資より、貯金を減らしたくない…と考えるのは高齢者の方にとってごく普通のことだと思います。

いざというときのお金の安心」があれば、マンションの住環境を向上させることに反対する理由はなくなります。たぶん、ほしいのは「安心」で、実際にリバースモーゲージを利用する人は、ほとんどいないと思います。で、リバースモーゲージを実施するためにも、市場価値を維持することが重要だということは、将来への投資に対する非常に大きな意味づけになります。

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