【加計学園】前川氏の「醜聞リーク」でわかった共謀罪の危険度

 

記者会見で、この4条件について、どこが合致していないのかと質問された前川氏はこう言った。

とくに新しい分野における需要が明らかになっているのかという点。例えば新薬の開発とか水際の対策とか、本当にそれは具体的な内実を伴うものなのか。そこが薄弱だと思う。新しい分野の具体的な人材需要ですね。既存の大学学部では対応できないという条件も検証されていない。

昨年6月、事務次官に就任した前川氏を待ち構えていたのがこの問題だった。

大きな行政の課題になっていた。私は文部科学省の事務方の責任者として、非常に疑問を感じながら仕事をしていた。

今回明るみに出た文科省作成の8枚の記録文書は、昨年9月から10月にかけ、前川氏が担当の専門教育課から説明を受けたさいに受け取った「レク資料」だ。まずはそのうち9月28日のもの。

平成30年4月開学を大前提に逆算して最短のスケジュールを作成し、共有していただきたい。これは官邸の最高レベルがいっていること。

前川氏は「内閣府から文科省に強く要請が来た最初の文書」と認識しているようだ。

10月7日に渡された以下のレク資料には「内閣府からの最後通告に近いもの」を感じたと言う。

今治市の区域指定時より「最短距離で規制改革」を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている。

与党での議論はいらないということが書いてあるし、30年4月開学というのはもう決まったことだと。

最終的には内閣府に押し切られたと私は思っています。

前川氏は官邸や文科省が「確認できない」とシラをきり通す文書の存在することを明言した。「あったものをなかったものにできない」と言う。

それにしても、この文書が出てきたことに驚くあまり、官邸は最初の対応に失敗したのではないだろうか。

文書の存在そのものを「怪文書だ」と切り捨て、全く認めようとしなかったため、その後も官邸、内閣府、文科省こぞってウソをつき続けなければならなくなった

前川氏は「いわば白を黒にするよういわれているようなもの。意に反することを言わされている状況が続いている」とかつての部下たちを気遣う。

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