台湾が国際機関から次々排除。習近平による圧力が強まっている

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10月に行われた中国共産党大会を経て2期目に突入した習近平政権。同大会において「習近平思想」が党規約に盛り込まれ、名目上は毛沢東と並んだ習主席ですが、実績では遠く及ばない、とするのは台湾出身の評論家・黄文雄さん。今回黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で、習近平氏が偉大なる指導者になりたいがために台湾統一を虎視眈々と狙っているとした上で、中国による様々な国際会議等での台湾に対する姑息な嫌がらせを強く非難しています。

【台湾】姑息な手段で台湾「統一」圧力を強める習近平

● COP23 台湾の代表、会場から締め出される 中国大陸からの圧力で

ドイツのボンで開かれている国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)に出席しようとした台湾代表団が、中国の圧力によって会場への入場を拒まれました。これまでも中国による同様の嫌がらせは何度もありましたが、気候温暖化の問題は人類のテーマであるだけに、世界全体で考える必要があるのは言うまでもありません。

台湾は国連には加盟していませんが、代表団の李応元・環境保護署長(環境相)も、「台湾を参加させることは世界の責任だ」と述べ、「名指しする必要はないが、堂々たる大国がこれほど度量が狭くある必要などない」と中国を暗に批判しました。

しかも、台湾は世界で22位のGDPと、スウェーデンやベルギーより上で(2016年)、国連加盟国193カ国と比べても上位に位置します。1人あたりのGDPでは世界36位で、74位の中国よりもずっと上なのです。

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現在、2期目に入った習近平政権ですが、台湾を統一する動きを強める可能性が囁かれています。10月18日~24日に開かれた中国共産党大会において「習近平思想」が党規約に盛り込まれ、毛沢東とならぶ絶対的な権力を手にしたとされる習近平ですが、実績の点では、中国共産党を建国した毛沢東とは比べ物になりません

台湾問題は中国が最重要問題と捉える「核心」の一つですが、もしも習近平が台湾統一を果たせば、中国共産党にとって歴史的快挙となり、習近平の功績として評価され、真の「偉大なる指導者」となることができます。

実際、習近平は党大会の演説で「三代歴史的任務の達成」を掲げましたが、その一つが「祖国統一の完成」でした。習近平は政治報告で「祖国の完全な統一は必然的な要請だ」と台湾統一を進める姿勢を示し、「一つの中国」を意味する「92共識」を強調して7度の拍手を浴びました。中国の国務院台湾事務弁公室は、この報告について、「祖国統一の大事業を進める新理念」だと強調、台湾の蔡英文総統を批判しました。

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これに対して台湾側は反発し、行政院大陸委員会が「一方的に作り上げた『一つの中国』原則などの方針では(台湾の)人々の同意を勝ち取ることはできない」との声明を出しましています。そして、「民主制度こそが台湾の核心的価値」だと反論しました。

● 台湾当局、習近平氏に反発 「一つの中国」は一方的

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