イエローハット創業者が暴力団に監禁されても成し遂げた業界改革

chichi20180320
 

以前掲載の「沈みゆくオートバックスの『誤算』。業界1位に何が起きたのか?」では業績が悪化しつつある業界1位のオートバックスを2位のイエローハットが追い上げているという現状をお伝えしました。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、イエローハットを一代で一部上場企業に育てた鍵山秀三郎氏の偉業と経営哲学が詳しく紹介されています。

やっておいてよかった やっておけばよかった

業界の悪い風習を次々に変革し、カー用品のイエローハットを一代で一部上場企業に育て上げた鍵山秀三郎さん

やっておいてよかったやっておけばよかった」という言葉を鍵山さんはどのような思いで語られたのでしょうか。杏中保夫さんとの対談からは、その艱難辛苦の歩みが伝わってきます。

歩歩是道場 鍵山秀三郎(イエローハット相談役)

私は20歳でカー用品の業界に入った時、なんと質の悪い業界だろうかと思ったんですね。業界全体が実にあくどい、質の悪い仕事をしていました。

自分の人生を捧げるに当たって、このままではいけないと思いましたね。自分の会社の収益だけを考えていては駄目だと。業界全体の悪しき習慣を変えたいと思って、それを実践してきました。

例えば、職場が汚い、接客が乱暴、雪が降ったらタイヤチェーンの価格を10倍、20倍にする、手形商売でいつも支払いが遅い。そういったことを一つひとつ潰していきました。

その頃、同業者はよく倒産しました。原因は何か? 過剰在庫です。大量に仕入れれば安く買えるというので販売能力を超えた量を買うわけですね。手形の期限をいくら延ばしても落とせない。だとしたら在庫を適正にしよう。それには適正に配給できる施設を造らなくてはならないというので全国に4か所、物流センターを造りました。ケース単位だった納入は個数単位に変えました。こういうことを業界全体の改善のために一つひとつやってきたんです。

業界全体から悪い評判を立てられてメーカーが商品を引き揚げに来たり、暴力団に監禁されたり、さんざんな目にも遭いました。でも、私はこの考えを通したからこそ、危険はあったけれども会社は存続できたと思っています。

もし私が業界の悪しき習慣に流されて、業界全体がこうだから仕方がない、こんなことは変えることができないと思ってきたとしたら、私はつまらない人生を送ったと思います。

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