米英仏がわかりやすく「シリア攻撃」、真のターゲットはプーチン

 

アメリカの巧妙な戦略

プーチンに対するアメリカの戦略は、非常に巧妙です。

〇 情報戦=プーチン悪魔化せよ!

例をあげれば、

  • プーチンは、国家ぐるみのドーピングを指示した?
  • プーチンは、化学兵器を使って、裏切り者を消した?
  • プーチンは、アサドに化学兵器を使わせた?

〇 外交戦=プーチンを孤立させろ!

スクリパリ暗殺未遂を受け、25か国がロシア外交官を追放

今回は、アメリカ単独ではなく、英仏がシリア攻撃に参加

〇 経済戦=制裁をますます強化し、ロシア経済を破壊しろ!

  • クリミア併合
  • ロシアによるアメリカ大統領選介入疑惑
  • スクリパリ暗殺未遂
  • アサド支援

などなど、とにかく口実を見つけどんどん制裁を強化していく。プーチンが、アグレッシブになれば、またそれが「制裁強化」の口実になる。アメリカは、「軍事力」を使わずにプーチンを追いつめている

皆さん、「なんでアメリカは、アサド排除を目指さす、一日で攻撃を止めたのだろう?」と考えませんでしたか?

別にアサドが政権にいてもいいのです。彼が次回、シリアにわずかに残った反アサド派を攻撃する。すると、米英仏は、「アサドは、また化学兵器を使った!」といって、ミサイル攻撃するでしょう。そして、またロシアが反発する。欧米は、「ロシアは、アサドが化学兵器を使うのを容認している!」と宣言し、ますます制裁を強化するでしょう。

今のアメリカの対ロ戦略は、80年前の対日戦略と変わりません

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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