教育型いじめというのがある。これは何かが出来ない子供に対し、指示、命令し、出来ないことをあざ笑うといった形で行われる。教師に注意されると
「教えてあげていたんです」
「注意していただけです」
といった言葉が返ってくる。された側も自分が悪いからだと思い込みやすい。領空侵犯をする、されるといった人間関係は、親の過干渉が根底にあることが多い。
人は、一人一人主体的な存在である。個別の願いや課題を持ち、自ら意思決定して生きていく。しかし親の子に対する過ぎた干渉は、主体的に生きる価値を奪い、他の人の生き方を尊重しない態度を育てていく。正しいこと、困らないことを親が与えるのではなく、正しいこと、困らないことに子供がたどりつけるようにすることが大事である。
精神科医の斎藤茂太氏は「人生に失敗がないと、人生に失敗する」と語った。
過干渉を避けることは家庭で出来るいじめ防止策だ。
守矢 光児
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