最下位なのに動員数は上位!DeNAのマーケティングから学ぶこと

 

お客様のターゲットを絞ったから

そうなんです。まさに、これがマーケティングの入口です。スポーツショップの多くがお客様を絞ることをためらっています。というか、絞ろうとしていません。それでは、お店の方向がブレるはずです。

それはともかく、DeNAは、どんなお客様にターゲットを絞ったのでしょう。それは、「30~40代アクティブサラリーマン」です。決して「熱烈な野球ファンのおじさん」ではありません。会社帰りに気楽に野球観戦をしてもらいたいと、このゾーンにターゲットを絞ったのです。

顧客ターゲットを絞れば、次は「何を」提供するかが見えてきます。

マーケティングの真髄

ベイスターズにとっての「何を」は、観戦チケット関連グッズがすぐに思い浮かぶでしょう。しかし、それは「モノ」です。「何を」は「モノ」ばかりではありません。「コト」も提供しなくてはいけません。

ベイスターズが提供する「コト」は、「野球の楽しさ」や「親子のつながり」です。この「コト」を考えることが、マーケティング上大切になります。言ってみれば、「コト」は「テーマ」です。「コンセプト」や「スローガン」と言っても良いでしょう。それを考えることが、次の「どうやって」につながります。ですから、あなたのお店も「コト」をしっかりと考えましょう。

では「どうやって」モノやコトを提供するか。DeNAは考えました。まず、開幕6連戦に12万個のヘルメットを無料で配ることにしました。そして、子供は無料招待です。親子で球場に来てもらい、楽しんでもらおうという仕掛けです。ターゲットを「アクティブサラリーマン」としながら、その子供を狙います。うまいですね。

また、中学生以下のキッズ会員にはオリジナルグラブを進呈。さらに、県内の小学生、幼児72万人に野球帽を配ります。その上、親子でキャッチボールが出来るように、試合前にグランド開放します。

実は、これらのことは、横浜を「プロ野球のある街」にしたいという目標があるから出来ることです。ベイスターズを地域に根付いた球団にしたいと思っています。

このような仕掛けをした結果、観客が増えました。年間赤字が30億円だった球団が、半分以上減らせたそうです。

ポイントは

  • 地域に根差した球団にするという明確な目標を持つ
  • お客様ターゲットの絞り込みをする
  • 何を、どうやって提供したら喜んでもらえるかを考える

にありました。マーケティングの真髄と言っても良いでしょう。

DeNAは、今後もきっとユニークなマーケティングを展開していくに違いありません。さて、あなたのお店はどうでしょうか? ベイスターズからヒントをもらってはいかがでしょう。

今日のツボ

  • マーケティングは「誰に、何を、どうやって」を決めること
  • お客様ターゲットを絞ることが入口である
  • 提供するのは「モノ」と「コト」である

image by: Shutterstock

 

『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』
著者/梅本泰則
ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
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