イスラム国の標的が遂に聖地サウジアラビアに向かってきた

2015.04.30
by kousei_saho
 

2月12日の有料メルマガでお伝えしましたが、外交問題評議会のリチャード・ハース会長は、1月のフィナンシャル・タイムズで次のように警告していました。

現代のカリフの支配をもたらそうとする『イスラム国』が、イスラム教の二大聖地のメッカとメディナのあるサウジの支配権を得ようとする可能性がある。

さらに「イスラム国」について、ハース氏は以下のようにも述べていました。

サウジの大きな危険は、教育の不十分な、潜在失業の若者たちへ『イスラム国』の考えをうったえることから起こる。「爆弾」以上の威力をもつインターネットはサウジ政府の破滅の元となるだろう(could)。とくに、甘やかされたサウド王家の何千人もの王子たちの鬱積した恨みは、広くて深い。

3月20日、イエメンの首都サヌアにあるシーア派のモスク2カ所での自爆テロ事件では、少なくとも142人が死亡しました。これに対して「イスラム国」系組織が犯行声明を出したそうですが、米国政府はイスラム国系の活動かどうかの確認はできていないと発表しています。

また、エジプトでは「イスラム国」に忠誠を誓うグループが爆弾テロを繰り返して起こしました。

仮に、このイエメンの142人が死亡したテロ事件が「イスラム国」の犯行であるとしたら、バグダディの音声メッセージで名指しされたイエメン、エジプト、リビアでは、2014年11月のバグダディの呼びかけに応じてテロ事件が発生していることになります。バグダディのメッセージのなかにあるサウジアラビアも危なくなってきていると思います。

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