爪の縦線は病気のシグナル?爪からわかる病の兆候とは

2016.03.08
by Mocosuku
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「いつの間にか爪にシワが寄ったり、線ができたりしている…これって何かの病気の兆しなのかしら?」と不安になったりすることは、ありませんか?

確かに病気の徴候のものもあります。どんなことに注意したらいいのかをみていきましょう。

爪とは

爪は皮膚の角質が変化して、硬くなったものです。ケラチンという線維状のたんぱく質でできていて、厚さは、0.3mm~0.65mmです。1日に0.1mmくらいずつ成長していますので、1ヶ月では約3mm伸びることになります。手の爪よりも足の爪の伸びの方が若干遅く、また20歳位までは、体の成長に比例して爪の伸びは速く、以後徐々に遅くなっていきます。

指先で小さな物をつかむとき、爪が指を支えています。爪がないと小さなものをつかむことができないのです。

爪自体は、呼吸はしていませんが、爪の表面からは水分が蒸発しています。付け爪・ジェルネイルなどを塗ると、爪の水分の蒸発が妨げられるので、爪は弱くなります。

爪に縦線

縦線の原因は、主に乾燥と老化です。乾燥することで老化を早めることになります。

対策としては、ハンドクリームを爪の周囲の皮膚や指先まできちんと塗るようにして、皮膚にも、もみ込むようにこまめに塗りましょう。その後、ネイルオイルを爪や爪周囲に塗って潤わせると乾燥防止に効果的です。

爪は、全身の栄養状態を反映しているともいえます。縦線は、ビタミンB群(B1,B2,B6,B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)の不足から出ます。食品としては、豚肉、うなぎ、ナッツ類、レバー類、牛乳、貝類、緑黄色野菜、落花生、いわし、さんま、などを意識して摂るようにしましょう。

ただし、黒い線が入った場合は、要注意です。

メラノーマ(悪性黒色腫)やアジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)など、難病の可能性がありますので、すぐに受診しましょう。

爪に横線

爪の根元の半月状の白い部分の下に爪母という部分があります。そこで爪が作られていますが、この部分に何かあったときに横線ができます。爪をどこかにぶつける・甘皮処理時に傷つけるなどのダメージがあったときや、不規則な生活や栄養状態が悪かったなど、体の状態がきちんと機能しなかったときなどにおきます。

爪母の段階でそのような状態だったということですから、爪の真中あたりに横線が出ているとすると、それは3ヶ月位前に何か原因があった、と考えられます。

疾患に関わるもの

爪が反る

反っている爪を匙状爪、あるいはスプーン爪などと呼びます。これは鉄欠乏貧血によって起こるものです。また、アルカリ性の薬物を使う機会のある場合や、手先に圧迫のかかるような職業の場合にも起こります。

赤ちゃんの爪が反っていることがありますが、これは特に問題ありません。赤ちゃんの爪は薄いため、反ってしまうことは珍しくないのです。

大人のスプーン状爪で、貧血傾向のある方は、医師に相談しましょう。食生活の改善が必要です。貧血改善のために食べ物をしっかりとることで、爪も治っていきます。

巻き爪・陥入爪

爪の両端が皮膚に食い込んでしまうのが巻き爪ですが、周囲が赤く腫れて血が出てきた状態になったものを陥入爪と呼びます。ひどくなると、爪の横に肉芽がでて、靴も履けなくなり、痛くて歩けなくなります。足の親指に多く見られます。

原因には、特に先の細いものなど、足にあっていない靴を長時間履くことや、深爪、長時間の立ち仕事、足の指に負担がかかり過ぎている、などがあります。

最近、ネイルのおしゃれが広がっていますね。ネイルをしていない自分の爪の状態を見る機会が減っているようです。

爪をみていると健康状態がわかります。たまには注意してみて、自分の普段の生活を見直すバロメーターにしてもいいかもしれません。

執筆:南部洋子(看護師)
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

 

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記事提供:Mocosuku

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