自分の使っている教科書しか見たことがない子どもたちにとって、他社の教科書はとても新鮮にうつるそうです。無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、著者で教育評論家の親野智可等先生が実証済みの「子どもに様々な種類の教科書を与えるメリット」を紹介しています。
他社の教科書は子どもにとって新鮮
子どもたちは自分たちが使っている教科書しか見たことがありません。でも、教科書はどの教科も5~6種類あり、出版社によってけっこう違いがあります。
同じ学年で同じ教科の教科書でも、使っている写真、イラスト、文字の濃淡、取りあげる事例、例題、説明の仕方などが違うので、とても新鮮に感じられます。
私は自分のクラスに学級文庫としていろいろな種類の教科書を置いていたことがありますが、子どもたちは興味津々で手に取っていました。特に自分が好きな教科のものは好んで手に取るようです。
理科が好きな子は、教科書によって実験方法が微妙に違うことを見つけて教えてくれました。歴史が好きな子は、いろいろな教科書を読み比べて、ちょっとした説明の違いを見つけて喜んでいました。「歴史が得意だね」とほめる機会にもなりました。
国語の教科書には、必ず、物語、詩、説明文などが出ていますが、これが教科書によってかなり違います。ですから、「読書」として楽しむことができます。
算数の教科書では、計算のやり方や問題の解き方などにおいて、自分の教科書と違う説明がされていることがあります。そういうところを発見すると子どもは大喜びです。
また、算数の教科書は問題集としても使えます。そこに出ている問題は、計算問題の数字が違っていたり文章問題の出し方が違っていたりします。それが子どもたちのチャレンジ精神を刺激してくれます。
教科書は非常に安いので、いろいろな教科書を置いてみるといいと思います。高学年の子なら中学の教科書にも興味を持つかも知れません。
購入するためには、全国教科書供給協会に問い合わせたり、「教科書 購入」などのキーワードで検索したりしてください。
初出『Smile』(学研エデュケーショナル)
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