あのプーチンが喜んだ。安倍総理はロシアへのアプローチをどう変えたのか?

 

北方領土問題でプーチンに恥をかかせない

プーチンが訪日したとしましょう。安倍総理に会ったら、「プーチンさん、いつ島を返してくれますか?」と言われた。記者会見をしたら、記者から、「プーチンさん、いつ島を返してくれますか?」と4回質問された。町に出れば、「プーチン、北方領土を返せ~! 北方領土を返せ~!」と大規模デモがあちこちで起こっていた。

これ、わかるんですが、「返せ!」と言い続ければ、返す気になりますか? むしろプーチンは、日本で大恥をかかされ、「絶対返すか!と決意を固めることでしょう。

WIN-WINの経済協力を進める

昔、薩摩藩と長州藩は、「犬猿の仲」でした。坂本龍馬は、「この2藩を同盟させれば、幕府に勝てるぜよ!」と考えた。で、どうしたか?

当時幕府戦に備えていた長州は、武器を必要としていた。ところが、幕府は外国勢力に、「反逆者長州」との取引を禁じていた(つまり、長州は、外国企業から直接武器を買えない)。それで龍馬は、「薩摩名義」で武器を買い、長州に与えた。

一方で、薩摩はその時、コメ不作で悩んでいた。龍馬は、長州から薩摩にコメをプレゼントさせた。こうして、龍馬の仲介で、薩摩と長州がお互い助け合っているうちに、なんとなく両藩関係がよくなってきた

こういうのは、現代でも同じですね。自分の目的を達成したければまず相手の望むものを与える。そして、ロシアは、「制裁」「原油安」「ルーブル安」で経済がとても苦しい。ですから、「経済的に大きなメリットのある話」を中心にするのがいいでしょう。(たとえば、日ロを直接結ぶガスパイプライン建設など)。

こう書くと、必ず産経新聞さんが、「だまされるぞ!」と警告します。その懸念、もっともです。ですから、経済協力でも「両国にメリットがある案件」である必要がある。そして、具体的な交渉でも、なるべく商社のベテランなどに入ってもらい、「日本が一方的に損をしない」状況をつくる必要があります。

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