中国「封じ込め」の仕上げ。G7はいかにして反中で一体化したのか?

 

日米印、対中合同軍事演習

中谷防衛相は6月3日、自衛隊がアメリカインドの軍事演習に参加することを発表しました。

日米印の防衛協力を強化…中国の海洋進出けん制
読売新聞 6月3日(金)21時8分配信

【シンガポール=石田浩之】中谷防衛相は3日、インドのパリカル国防相とシンガポールで会談し、日米印3か国の防衛協力を強化することで一致した。

月内に日本近海で行われる米印海軍共同訓練「マラバール」に海上自衛隊が3年連続で参加することも確認した。

日本政府は日米印の連携を加速することで、東・南シナ海やインド洋で海洋進出を強める中国をけん制したい考えだ。

日米印が、「(事実上)対中国の軍事演習」を行う。これは、「クレムリンメソッド」で書いた流れです。アメリカは覇権国家ですが、衰退が著しい。インドは、将来必ず、中国と並ぶ大国になるでしょう。だから、日本の大戦略の柱は、「アメリカとの軍事同盟をますます強化しながら、同時にインドとの関係をどんどん深化させていくこと」なのです。そして、実際そういう方向に動いています。すばらしい。

「孤立の万里の長城」再び

さて、カーターさん。よほど、「孤立の万里の長城」という表現が気に入ったのでしょう。(確かに一度聞いたら、決して忘れられないですね)。6月4日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で、またこんなことを言いました。

「南シナ海で自ら孤立の長城」=米国防長官、中国を批判─協力強化も・アジア安保会議
時事通信 6月4日(土)10時42分配信

【シンガポール時事】カーター米国防長官は4日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、南シナ海で人工島整備を進める中国の動きに懸念を示した上で「南シナ海で自らを孤立に招く万里の長城を築きかねない」と批判した。

勝利にばく進する、アメリカのリスク

最近の動きを見ましたが、アメリカは、「反中バランシング同盟」の構築を着々を進めています。ルトワックさんやミアシャイマーさんの提言どおりに動いているように見え、このまま進めば、勝利は確実です。

リスクは、「大統領選挙」ですね。新しい大統領が、ガラリと方針を変えるかもしれない。「最悪の大統領」「最弱の大統領」と批判されるオバマさん。そのオバマさんの引退が最大のリスク」というのは、なんとも皮肉です。

image by: Joseph Sohm / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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