米国人の「日本人はゴキブリね」発言に激怒。異文化交流は難しい

 

今考えればー。その時から15年経った今、そのことを振り返れば。そこまで熱くキレることはなかったのかもしれません。

まだ20代だった若気の至りも手伝ったのだろうし、その先生に大して悪気はなかったのだとも思います。

そして、なにより彼らの得意とする「アメリカンジョーク」ってやつなのかもしれないし「異文化交流をする」ということは、それまで生きてきた、母国の常識をいったん棚にあげなきゃいけないということも今ならわかります(それにしてもコックローチだぜ 笑)。

なにより、言われた当の日本人たちがへらへら笑っていたことにこと憤りを感じたのかもしれません。

ただ、その瞬間は興奮が収まりませんでした(笑)。だいたい、この課外授業自体、「社交性を学ぶ」ためのものだろ。 ここまで侮辱しておいて、なにが社交性だよ、言語をマスターする前に大切なものがある。 という気持ちもあったと思います。

ただ、彼女も興奮していました(笑)。

「じゃあ聞くけど、なんでアナタ達はいつも隅っこでヒソヒソひそひそしゃべってるの!?」

かなり頭に血が上っていた僕は、返す刀でこう言います。

「じゃあ、こっちも質問があるけど、なんでお前達はいつもバカみたいに、ピザやらハンバーガーやら、ホットドッグをふがふが延々、食べ続けてるんだ!!?? まるでWHITE PIG MIND (白い豚精神)だな!」

そのあと、鼻を鳴らして「フガフガ!」と鳴き真似をした時点で、仲のいいアメリカ人の男性の先生に「おちつけ、おちつけ」と、なかば羽交い締めにされ(笑)外に連れ出されました。

おそらく43歳の自分が今の時点で、この国で16年住まわせてもらっている自分が今、もしタイムマシンでこの現場に戻ったら、こんな失礼なことは口が裂けてもいいません。 あきらかに僕の方がおかしいし、よく訴えられなかったなぁとすら思います。 ここまで相手を侮辱するセリフを言う権利は僕にはないし、あまりにも子供染みているし、思い出せば顔が真っ赤になるほど恥ずかしく、とてつもなく猛反省しています。

異文化交流ということはー。 相手を受け入れることだから。 その国の文化を尊重し、慣れるということだから。

なので、今の僕がこの現場に戻ったら絶対にキレないし、こんな失礼な侮辱発言はしないー。

ただ、それだとしても。

頭では当時の自分があきらかにオカシイと理解していたとしても。

キレたその時の自分を止めないかもしれない…と思っている自分もどこかにいます。 たとえ、間違っていたとしても。

うーーーん、やっぱり異文化交流ってむずかしい。

image by: Shutterstock.com

 

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 より一部抜粋

著者/高橋克明

全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる

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