苦情殺到なのに。なぜ「ごみ屋敷」は今まで放置されてきたのか?

 

しかし、最近、条例を制定して対処する自治体が増えてきています。例えば、世田谷区では、2016年4月1日から、「ごみ屋敷」問題に対応するために、「世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例」を施行して、地域における良好な生活環境の保全につとめるとしています。条例は、「ごみ屋敷」の定義について、

  1. 現に人が居住していること
  2. 住居及びその敷地に物が堆積又は散乱した状態にあること
  3. 居住者及び周辺住民の生活環境が著しく損なわれている状態にあること

としています。3.については具体的に、物が道路等に流出していたり、悪臭が発生、ゴキブリやハエ等の動物が群生していること、などが挙げられています。京都市や大坂市など条例を制定している自治体では同様の定義となっているようです。

世田谷区では、「ごみ屋敷」に対して、調査等を行い、設置された審査会に諮問して、その住居が管理不全な状態にあるかどうかを判断します。管理不全な状態と判断された住居等については、まず整理整頓など必要な措置をするように指導を行い、住居者が指導に従わない場合は、勧告を行います(世田谷区条例9条)。

それでも状況が改善されない場合は、区が代わって必要な片付けを行ったり、危険が生じるおそれがある場合には、区が緊急対応を行います。代行でかかった費用については原則として居住者が負担することになっています。多くの自治体でも、同じような流れとなっています。

このように、全国でも自治体が条例に基づいて対処するというケースが増えてきました。しかし、今回のケースでは、火災は自治体が介入した後に発生しています。

自治体が介入して片付けを行ったとしても、ごみを溜め込んでしまう行動が改善されなければ、一時的な対応にしかなりません。ごみを溜め込んでしまう背景には心の問題等様々な要因があるということですので、それらにどう対応していくかが今後の問題となりそうです。

 

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