元男装アイドルの作家が教える、本当は面白い「哲学」の魅力

2016.12.05
by まぐまぐ編集部
 

「尾崎豊」好きが高じて「哲学」ファンになった15の夜

そもそも私が哲学に興味をもった経緯をざっくりと説明いたします。

哲学書との出会いは高校生の頃です。私は、「尾崎豊」さんの大ファンでいつも彼の歌を聞いては「自由って一体なんだ?」「なんのために生きてるのかわからなくなるよ」的なことをずっと考えていました。

そんなある日家の近くにあった、初老男性が一人で営む、哲学書とエロい本と図鑑をメインで展開しているという奇怪すぎる本屋さんで哲学書に出会ったんですね。

この時、たまたまタイトルに惹かれて手に取った中島義道先生の「不幸論」という本で初めて哲学に触れ、ものすごい感銘をうけました。

哲学の本には、自分が普段考えていることの10歩先が簡潔にまとめられていたのです!なんと論理的でわかりやすいのだ!ととにかく感動の嵐でした。

そこで「哲学書をよめば、私が普段考えているようなテーマが書いてあるんだ!」と知ることができたので、夢中で読み漁るようになったのがきっかけです。

そして、哲学とジェンダー論に興味があったので、高校卒業後、そのふたつを勉強できる大学に入学しました。この頃は研究者になる気満々だったので「男らしさ女らしさはどの段階で規定されるのか」といったジェンダー論に関する論文を出して、大学に入りました。

けれども、その後大学在学時に、アカデミックな世界とは逆方向の芸能界に入りました

芸能界では、吉岡美穂さんや菜々緒さんを輩出したレースクイーンオブザイヤーグランプリを受賞し、その後2年間ほど空白期間をおいて、男装アイドルユニット・風男塾のメンバーとして活動してきました。謎にジェンダーな経歴……。

芸能界の活動は楽しいこともありましたが、辛いこともありました。落ち込むたびに哲学書を読んでは「こういう考え方もあるよな」と自分を奮い立たせてきたりしました。

けれども、私が人生に哲学が必要だと思った出来事は、これとは別にあります。

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