あっせん利得処罰法違反には当たらない?
【読売】は、大阪社会部と神戸総局の記者に、3面の解説記事「スキャナー」を書かせている。他に4面と社会面に関連記事。見出しを抜き出す。
(3面)
- 「森友学園」問題
- 国有地取得へ「政治力」期待
- 理事長が仲介依頼 鴻池氏側「交渉関与せず」
- 検査院 調査に着手
(4面)
- 国有地売却
- 政治家関与巡り論戦
- 小池氏 首相に解明責任ある
- 首相 政治家自ら襟ただせ
- 山本氏 首相夫人は公人か
- 審議官 職員5人サポート
- 福山氏 働きかけあったのか
- 理財局長 問い合わせあり得る
(37面)
- 大阪府議にも接触
- 理事長 小学校認可働きかけ
- 鴻池氏の紹介依頼 兵庫県議に
uttiiの眼
3面は解説記事だが、担当は地方記者のみ、4面は一種の国会での話題という位置付け、そして社会面は関西ローカル的な扱い。こういう紙面展開を見せられると、「森友学園」問題は、政権中枢とは距離があるテーマなのだ、安倍政権の命脈とは無関係な話題なのだと、しつこく念押しされているような気分になる。それなりに扱いながら、小さく見せかけていくという“高等テクニック”。それでも、個々には興味深い内容が含まれているところが面白い。
3面記事。神戸の地元秘書は各紙の主材に応じていて、共産党が示した「陳情整理報告書」は自分が書いたものであると認め、籠池理事長からの接触は15回(《読売》によれば、そのうち電話が14回)あったと話している。
気の早い《読売》は、記事の最後の方で、あっせん利得処罰法に言及。「仲介しただけで違法になるわけではない」と鴻池サイドが安心できるようなことを書いている。そして、《朝日》同様、「最大の焦点は、(ゴミ撤去費用を)差し引いた経緯や妥当性だ」として、野党は「鴻池氏の他にも関与した政治家がいるはずだ」と主張しているとする。
39面は基本的にはローカルな情報という性格付けで、4本の短い記事から成り立っている。籠池理事長は、小学校認可の問題で大阪府議に接触していたこと、鴻池氏を紹介してもらうために兵庫県議に接触したこと、大阪府がまもなく現地調査を行うこと。そして、森友側の代理人である酒井康生弁護士の話として、鴻池氏が突き返したとされる紙包みには、商品券3万円分が入っていて、「以前入院した時のお見舞いのつもり」だったと話していると。
しかし、1000円券としてもわずか30枚。これを紙に包んで「コンニャク」と表現するだろうか。それから、既に治った病気の場合、直後なら「快気祝い」があり得るけれど、「以前入院した時の…」というのはちょっとピントがずれている。理事長夫人が「これでお願いします!」と頭を下げて渡そうとしたとされる風景と、ここで言われていることがうまく馴染まない。