家具が売れない。財務分析から垣間見る「大塚家具」の危険度

 

損益計算書から大塚家具の現状を分析する

それでは、次に損益計算書から大塚家具の現状をチェックしていきましょう。

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大塚家具の2017年第1四半期の売上高は102億円となり、前年同期比8.2%の減少となりました。売上原価は売上高の減少に伴い、2億円ほど少なくなっていますが、原価率は48.38%と前年同期比2ポイント以上高くなっているのが気になります。

また、販管費もリストラを行って経費削減に努めた結果、前年同期比5億円以上少なくなっていますが、売上高比で見てみると1ポイント程度高くなっています。

経常利益は16億円の赤字に沈み、保有株式の売却で8億円の特別利益を計上した結果、税引前当期利益は8億円の赤字に留まりました。

バランスシートの投資有価証券を見ると、簿価にして15億円程度の株式を売却して利益を捻出していますが、いまだに40億円弱の投資有価証券が計上されています。

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日経平均株価が2万円前後と高い水準で推移する昨今、恐らく相当の含み益がある株式を保有していることも十分に考えられますので、いざという時はこの投資有価証券を売却して一時凌ぎに充てることもできるでしょう。

以上、大塚家具の月次セールスリポートや第1四半期の決算短信を分析すれば、相変わらず業績的には非常に厳しい状況が続いていますが、資金繰り的にはまだ余裕があるため、首が回らなくなる前に次々と手を打って業績の回復に努める必要があることがわかります。

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