日本も他人事ではない。「ドーハの悲劇」カタールに迫る動乱の嵐

 

一方で、チュニジアから起きた「アラブの春」民主化運動(ジャスミン革命)は、中東の大国・エジプトのムバラク政権やリビアのカダフィ政権を倒し、さらにシリア、イエメンなどにも波及していった。そこへイスラム原理主義を掲げ、国境を越えたイスラム国の設立を目指すイスラム原理主義運動やトルコ、イラク、イランの3カ国にまたがるクルド人の建国運動も絡んで、いまや中東は大動乱時代に陥っているのが実情だ。

しかも新しい地下資源・シェールオイル・ガスを手にしたアメリカは、紛争地帯の中東から徐々に手を引きつつある

中東、アフリカから始まった動乱の嵐は遂にカタール、サウジ、イエメンとアラビア半島の端まで押し寄せてきた。小国カタールとサウジなど6ヵ国との断交は、もはや民族や宗派の違いも関係なくなってきたようにみえる。アメリカと固い同盟関係にあれば、「日本は大丈夫だなどといつまでも言ってられるのだろうか。(電気新聞 2017年6月23日)

image by: Shutterstock.com

嶌信彦この著者の記事一覧

ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」 』

【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

print
いま読まれてます

  • 日本も他人事ではない。「ドーハの悲劇」カタールに迫る動乱の嵐
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け