成長が著しい中国市場ですが、一方で懸念もあります。というのも、中国の無印良品は日本の無印良品の世界観を100%反映しているとは必ずしも言えないからです。中国の無印良品は日本と比べて異なる点がいくつかあります。例えば、価格は日本よりも高く、顧客層は所得が中間より上の方が多いといいます。「求めやすい価格」という無印良品の価値からは少し外れている状況と言えるでしょう。
そのため、良品計画は17~20年度の中期経営計画で「世界戦略商品の価格統一」を掲げ、世界での価格差をなくしていく方針を示しています。中国でも「求めやすい価格」にできるかが問われそうです。
ちなみに、中国の無印良品ではステーショナリーグッズとファッションの売り上げ比率が日本よりも高いといいます。今後は食品を強化していく方針で、「現在の国内構成比7%台から倍増させる。東アジアの店では、15%に達しているケースもあり、中国市場でも5%を超えてきた」(ダイヤモンド・ホームセンター/2017年7月号)と意気込みを示しています。中国でもニーズに合った商品構成を構築できるかが問われそうです。
無印良品は大きく成長しています。銀座にできる世界旗艦店で無印良品の世界観をより高いレベルに引き上げていくことでしょう。そして、成長著しい中国市場を中心にその世界観を輸出し、グローバルで通用するブランドに育て上げていく狙いがありそうです。銀座にできる世界旗艦店がどのような世界観を示していくのか、注目が集まります。
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『女子大生のハンバーガー店経営物語』
(クリエイションコンサルティング)