【書評】中国共産党の不都合な真実。誰が日本を悪者に仕立てたか

 

中国人はほとんど恐怖心で、相手を激しく批判し続ける。つねに批判する側に立っていないと、自分の身が危ないからだ。かつては「反革命」と言われないように、今は「売国奴」と罵倒されないように、必死で革命を、愛国を叫ぶ。これが中国という大地の掟だ。著者はこれを「大地のトラウマ」と名付けた。

江沢民の個人的な保身のための反日煽動は、この地雷を中国人民に踏ませてしまった。いまや中国は歴史を逆行し、あたかも抗日戦争中のような熱狂ぶりで、反日を加速させる以外に選択はなくなっている。ところで習近平は、「国連創設に貢献したのは中国である」という、お笑いトンデモ歴史改竄を始めている。

中国が最も嫌うのが三権分立を前提にした「普遍的価値観」である。それを受け入れない中国は「特色ある(=社会主義国家でも市場経済を許す)核心的価値観」を国家の思想的根幹にする。中国共産党が法の上に立つ「一党独裁」という意味だ。そして、これまで以上に日本に歴史認識非難を強めている。

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