日本の朝を揺るがせた北朝鮮のミサイル、頼みはアメリカだけの惨状

 

日本としては制裁強化やアメリカなどとの連携強化が必要ではあるものの、まず第一にミサイルがどこに落ちるのか避難をどうしたらよいのか──などの正確な情報をいち早く国民に知らせる処方箋を打ち出すことが最も大事になってきたのではないか。北海道沖で漁業中だった15隻の漁船は、警報を聞いたが、どの海域が危険なのかわからず約10隻はそのまま操業、5隻は波が高かったので帰港したという。Jアラートが出されたものの、基本的な情報がほとんど伝わっていなかったということだ。

国民の心配は身近な避難の方法を知りたいことにあるわけで、政府は今後その対応に知恵を絞るべきだろう。北朝鮮への圧力とか各国の連係は当然必要だが、北朝鮮が直ちに反応するとは思えないので、まずは自分たちの身の安全の守り方に政府は全力を尽くすべきではないか。これで日本を通過した中距離弾は5回目となった。

政府は昨年夏から自衛隊に対しミサイルの破壊措置命令を常時発令状態にしており、イージス艦を日本海に展開し、地対空誘導弾PAC-3(34基)も飛行ルートとみていた中国・四国地方に移動させて事態に備えてはいた。しかし予想外の飛行ルートだったためPAC-3の迎撃は困難だったようだ。また実際に迎撃した場合も能力的に打ち落とせるかどうかについても「困難」との見方が一般的だ。

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