公明党が離反を恐れる中道層とは?
【毎日】は3面の解説記事「クローズアップ」の最後段に、公明党について書いている部分がある。見出しは、「公明、小選挙区落とす」。
公明党は公示前の35議席確保を目標にしていたが、神奈川6区を落とすなど厳しい戦いを強いられた。小選挙区の候補を落とすのは、「政権を奪還した12年衆院選以降で初めての事態」だという。神奈川6区の敗因は「立憲民主党に共産党が連携する形で、野党の分裂した支持が集約されていった」(山口那津男代表)こと。《毎日》によれば、「躍進した立憲民主党に中道層を取りこまれる傾向は比例代表の苦戦にもつながった」としていて、その原因の中には「安全保障関連法や『共謀罪』法の制定で自民党に協力したことが中道層の『公明離れ』につながったとの見方もある」という。
uttiiの眼
数日前の《毎日》が、やはり、公明党が中道層の票を立憲民主党に奪われることを警戒し、同党批判を強めているという方向性の記事を掲載していた。この記事も同じ前提に立ちながら、安保法制や「共謀罪」の成立に協力したことで中道層に嫌われたのではないかという推論を付け加えているところが新しい。
分からないのは、この「中道層」がどんな人たちかということ。
ただ単に、与党と野党の中間、あるいは「保守」と「リベラル」の中間的な立ち位置を好む人々という意味なのか、それとも、護憲派として平和志向が強く、僅かでも公明党に不満を抱いてきた一部の創価学会会員のことなのか。公明党を比例区の投票先として積極的に選択するような人たちが、創価学会の会員以外にどのくらいいるものなのか疑問なので、公明党が警戒していたのは、実は、創価学会の票を奪われることだったのではないだろうか。勿論、邪推かもしれないが。