永江さんからの回答
これはたった一言、やっていて「楽しいか、楽しくないか」ですよ。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるでしょう。好きで楽しければ、それは向いているし、やっていても楽しくなければ、向いていないんです。
なぜ、楽しい=向いているのかというと、「やらされている感」がなくなり、仕事と遊びの区別がなくなるからです。もっと追求したくなって工夫も生まれるだろうし、それに対しての努力も苦と思わなくなるでしょう。
例えば美容師さんなら、ただ仕事だからと漫然とカットしている人よりも、顧客一人ひとりの頭や顔の形、好みなんかを考え、毎回を新しいチャレンジとして取り組める人のほうが技術力もつくでしょう。
ビジネスの世界でも同じで、皆が嫌がる飛び込み営業ですら、向いている人には楽しくてしょうがないもの。次はどんな人と会えるんだろうとワクワクし、最初は自分のことを無視していた相手と信頼関係ができることぐらい楽しいものはないと、光通信のできる営業マン(いまの社長)に言われたことがあります。
もちろんどんなものでも、楽しいところと楽しくないところはあります。例えば趣味のサーフィンだって、いくら好きだ、楽しいと思っていても、大きな波にもまれて息も絶え絶えにパドルしてる時は、やっぱり楽しいものでもない。
調理するのが大好き、調理師は天職だと思っている人でも、鍋洗いから下ごしらえまで何もかも楽しいというわけでもないと思います。結局は楽しい部分が、楽しくない部分を上回っているかによると思うのです。
だから、このお友達に何か言ってあげるとすれば、とにかく「楽しいか楽しくないかをとことん自問自答しろ」ということではないでしょうか。マラソンだってそうですよね。あれを外から見ても、ただ苦しいだけに見えるのだけれど、それが本当に楽しいと思える人もいる。楽しければ悩んでいる必要はなくて、いつかできるようになると信じていいし、苦痛なのだったら早く辞めたほうが良いと思います。