年金の受取額が倍になることも。知らないと大損な「特例」とは?

 

あと、63歳到達時の11月に退職してるから、ハローワークから支給される失業手当(正式名は基本手当という)の話も出てきますよね。ハローワークで失業手当を申請(求職の申込みという)すると、申請の翌月から年金が全額停止になり、失業手当を貰い切るか、原則離職日の翌日から1年を超えるかしないと年金の支給が再開しません。だから、ハローワークで求職の申し込みをする前に、年金事務所やハローワークで年金額や失業手当の試算をしてもらって有利なほうを選択しましょう。

ザックリと失業手当の金額を出すと、退職前6ヶ月の給与平均が410,000円だったら日額に直すと、13,666円だから失業手当日額は13,666円×45%=6,149円(1円未満切り捨て)。失業手当を年額に直すと、6,149円×365日=2,244,385円になる。という事はこの女性の年金額は2,372,801円だから、年金額の方が有利ですね(大体失業手当のほうが高いんですけどね)。だからこの人の場合ならハローワークで求職の申し込みしないほうがいいかも。ただ、老齢の年金は65歳未満の人は年金年額108万円以上(65歳以上は158万円以上)だと課税対象になるので税金の面も考えていたほうがいいです。失業手当は非課税だから。

ついでにこの女性の老齢厚生年金から源泉徴収される所得税を算出。

年金にかかる源泉徴収税額(日本年金機構)
扶養親族等申告書Q&A(日本年金機構)

年金額2,372,801円を6で割って2ヶ月分に直すと、395,466円(年金は原則として偶数月に前2ヶ月分払うから6回で割ってます)。

課税対象者に送られてくる扶養親族等申告書をちゃんと提出した場合で計算。まず基礎控除→395,466円×25%+65,000円×2ヶ月分=228,866円。基礎控除は月額最低90,000円(2ヶ月で180,000円)ありますが、228,866円が多いからこちらを基礎控除として用いる。70歳未満の控除対象配偶者(見込み所得38万円以下)が居るとすれば、更に配偶者控除32,500円×2ヶ月=65,000円の控除。

偶数月の年金額395,466円-基礎控除228,866円-配偶者控除65,000円=101,600円(課税所得)。よって、毎回偶数月に源泉徴収される所得税は、101,600円×5.105%=5,186円。

年間源泉徴収額は5,186円×6回=31,116円。だから所得税だけで言えば、年金2,372,801円-所得税31,116円=2,341,685円>失業手当2,244,385円だから、年金のほうが有利ですね。住民税や国民健康保険料みたいなのを加味すると失業手当のほうがいいかもしれない(この記事では省略)。

ちなみに、他に所得控除になりそうなもの(社会保険料控除とか生命保険料控除みたいなの)があれば、源泉徴収された年の翌年1月1日から5年間の間にいつでも還付申告する事が出来ます(確定申告時期しかできないわけじゃない)。ただ、年金の源泉徴収票は1月下旬から順次送付されてくるから、還付申告は早くやりたくてもその後ですね^^;。

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