学級崩壊の原因は教師にあり。なぜ優秀な先生は体罰を与えないのか

 

調査委員会、第三者委員会の問題について

一般的に、いじめ自殺の時と同様に、体罰死においても、第三者機関が設置され調査します。しかし、調査の角度や視点が気になります。いじめ自殺や体罰、指導死による調査委員会報告書は公開されています。自死した生徒本人の学習成績や部活や生活態度など、学校生活から得たデータや分析、生徒の家族からの聞き取りによる家庭生活での様子、本人の資質や性格、クラスや部活での人間関係など膨大な情報量です。

もちろん、「家族のご協力に感謝する」とも記載されていますが、「指導してきた先生の資質や力量、その指導内容、受けてきた研修や上司の指導や教育員会からの助言」等々の本来、明らかにしなくてはならない部分は公表されません。被害生徒と教師とでは、比較対象にならないくらい、学校側が持っている教師の情報は公開されないのです。そのため被害者に不利な情報ばかりが目立つこととなるのです。

ある指導死の調査委員会の報告書では、「専門家による適切な助言を受けずに、指導を続けていた教員と学校の責任」を述べています。第一義的には正当な面もありますし、日本のマスメディアもそういった報告書が出ることで納得してきた面が相当にあります。

しかし、よくよく考えてみてほしいのです。こんなに簡単にすまされる報告書では意味がないのではないでしょうか。実は、調査委員会のメンバーを選ぶのは教育委員会ですし、報酬もそこから出ています。遠慮や忖度(そんたく)という隠ぺいは確かにあります。

本当に大切なことは、「どんな教育と指導がなされたのか、そして教師のスキルは充分だったのか」「それは個々の能力の問題なのか、組織マネジメントの問題だったのか」といった、本質的な内容の検討が欠かせません。

自殺した生徒の個人の問題に起因することなのか、それとも、教員の不適切な指導による事件、不適切な教師と知っていながら放置してきた学校や教育委員会の問題なのか、という点が重要です。その上での、指導内容の検討なのではないか、と問いたいと思います。

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