安倍政権vs小泉元首相。国民が迫られる原発ゼロか新設かの選択

 

12月26日の同分科会では、坂根氏の発言に沿って、「2030年エネルギーミックス実現のための対策」なる資料が15人の出席委員に配られ、一人あたり数分ずつ、順繰りに発言していくという形式で会議が進められた。さしたる異論も出ず、2030年度に原発比率20~22%を達成することや、原発再稼働によってCO2が年間263~487万トン削減できるという内容が確認された。

この会議で、坂根氏は日本の再生エネの技術力に疑問を呈してみせた。

年間2兆円を太陽光の固定価格買取に使っているが、太陽光の技術力は日本にはない。圧倒的に中国が強く、肝心な部分を全部握った。風力も遅れている。再エネ技術は太陽光以外に何に活路を求めるのか。若い人が今の動きの中で原子力をやろうとしない。原子力、ガス、石炭の技術力はどうしたら維持できるのか。このへんが大きな課題だ。

再生エネ技術の発展は見通せず、今まで培ってきた原子力や火力の技術力の衰退が心配だと強調したわけである。再エネには期待できないから、原子力などの技術を守るための計画が必要だ。ゆえに、原子力発電所の新設は大切だという結論に持っていく腹づもりなのだろう。

再エネ技術を遅らせたのは、経済界が原発に盲信的に依存したせいもあるのではないか。小泉氏らは、官民が一体となって、エネルギー政策を原子力、化石燃料から再エネへ転換すれば、必ず技術革新が起こり、経済成長につながると訴えているのである。

核のゴミ処理問題という一大事には目をつぶり、国家が目標を立てれば進歩するはずの再エネ技術に対しては悲観視する。いったい、どこに目をつけているのだろうか。

image by: Twitter(@原自連)

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