実は、これは、実際の体験に基づく話なのです。
何を隠そう、私自身の体験です。
私は、自身の中学受験において、第1志望も第2志望も落ちました。
第3志望の攻玉社中学校に入学しました。
普通なら、落胆したり、意気消沈したりするところなのでしょう。
しかし、私は、とくに落胆も消沈もしませんでした。
新しい中学生活を意気揚々とスタートさせました。
そして、1学期の中間試験は、学年200名強の中で、1位でした。
ほぼ、全科目1位。
10教科近くの平均点が、96点くらいでした。平均点が、です。
中学に入ってから塾に通ったわけでもないし、特別な勉強をしたわけでもありません。
単に、日々真面目に勉強し、真面目に授業を受け、真面目にテストに臨んだ結果が、それだったのです。
期末も、総合3位。
その後、高校3年生で卒業するまで、上がり下がりはありましたが、平均して、学年200名強の中で20~30位以内をキープしていました(1位をキープするのは無理でしたが)。
結果として、学力別のクラスでも、高3までずっと、特別クラスに在籍することができました。
私立中高の先生方は、優秀な生徒を欲しがっています。
これは、当然のことです。
だからこそ入試を実施するわけです。
そんな中で、1位~30位くらいの生徒は、当然ながら、先生方からも高く評価されます。
何かにつけて、ほめてもらうことも多くなります。
学級の中で、普通に先生方にほめてもらえるだけではなく、朝礼の壇上で全校生徒の前で表彰されたり、コンテストで入賞したり……そういう機会が、必然的に増えていきます。
そうしてその生徒は、学校の中での自己の存在価値を実感し、自己の重要感を高めていくことができるようになるのです。
もし、第1志望のA中に入っていたら、もしかしてもしかすると、その逆を歩む結果となった可能性があります。
そう考えると、どうでしょう。
第2志望で、むしろよかったのではありませんか?
もっと言えば、第2志望も第3志望も全て落ちて、地元の公立中に通うことになったのだとしたら、自己の存在価値を実感できるこうしたチャンスは、最大限に高まるのです。
こんなに楽しみなことは、ありません。
意気揚々と、公立に通い始めてください。