元国税が暴露。佐川氏も就いた財務省の子分「国税庁長官」の正体

 

財務省が国税庁を握っているということは、実は財務省の権力のカナメになっているものでもあります。財務省というのは、国家的な強い権限を持っていることは、皆さんご存知の通りです。財務省は、国の予算を握っています。建前の上では、国の予算を決めるのは、国会であり、国会議員たちがその策定をすることになっています。しかし、国会議員のほとんどは予算の組み方などはわかりません。だから、実質的に、財務省が策定しているのです。これは、自民党政権であっても他の政権であっても変わりはありません。

国家予算を握っているということは、莫大なお金を握っているということです。だからこそ、財務省の権力は大きく、他の省庁や経済界などからも恐れられているのです。そこまでは、世間にも十分に認知されているはずです。

しかし、財務省はもう一つ大きな権限を持っています。場合によっては、こっちの権力の方が国に与える影響は大きいかもしれません。その権力というのが「徴税権」です。財務省は、徴税権を直接握っているわけではありません。しかし、財務省の外局である「国税庁がそれを持っているのです。そして先に述べましたように国税庁は実質的に、財務省の支配下にあります。「徴税権を持つ」ということは、予算権限を持つのと同等かそれをしのぐような強力な権力です。

これまで述べてきたように、国税庁は、国民全部に対し、「国税に関することはすべて調査する権利」を持っています。国民にはこれを拒否する権利はないのです。このような強大な権利を、予算権を持っている財務省が握っているのです。

実は、これは非常に恐ろしい事でもあります。「予算というエサをばら撒くことで言う事を聞かせる」ということのほかに「徴税検査をちらつかせて言う事を聞かせる」ということができるのです。これでは国民も企業も、財務省の言う事を聞くしかなくなる、ということです。

「予算権」と「徴税権」の両方ともを実質的に一つの組織が持っている国というのは、先進国ではあまりありません。予算をつくる機関と徴税を担う機関は、明確に分けられていることがほとんどなのです。日本の財務省への権力集中は異常なことなのです。

そもそも財務省というのは、以前は大蔵省と称されていましたが、大蔵省にあまりに権力が集中しすぎて、たびたび不祥事を起こしたために解体され、財務省に組織替えしたのです。が、生まれ変わったはずの財務省も、大蔵省の「予算」と「徴税」という主要な権力基盤はそのまま引き継がれているのです。「予算徴税の両方の権力を握っている限り財務省の不祥事不正はなくならないと思います。

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