「始業時間前の朝礼、賃金払え」「自由参加だからダメ」判決は?

 

会社が負けました。朝礼は労働時間と認められたのです。その具体的な理由は下記の通りです。

  • 朝礼では(介護施設の)居住者に関する報告や引継ぎ、上長による話があり、それらは業務に関連し、その遂行に必要な準備行為といえる
  • 朝礼に遅刻した場合に始業時間前にもかかわらず遅刻として処理されている(給与も減額されている)

これらの理由から、「自由参加ではなく実質は強制参加であった指揮命令下にあった)」とされたのです。

いかがでしょうか。もしかするとみなさんの会社でも、始業時間「前」に朝礼を行っているかも知れません。もしそうだとしたら上記のようなリスクを考え、始業時間」に行うように変更したほうが無難でしょう。

実はこの「その時間は労働時間か」というのはよくご相談をいただく内容です。例えば、

  • 入社前研修
  • 社員旅行
  • 制服へ着替える時間
  • 懇親会
  • 社員運動会
  • 健康診断を受けた時間

などです。もしかするとみなさんの中にも迷われている人がいらっしゃるかも知れません。

それぞれの具体的な状況にもよりますので、どれが労働時間とは一概には言えませんが、あとから労働時間として請求されることがないようにしっかりと管理していく必要がありますね(上記の中で一般健康診断の場合は「労働時間とすることが望ましい」とはされていますが必ずしも労働時間とする必要はありません)。

image by: Shutterstock.com

特定社会保険労務士 小林一石この著者の記事一覧

【社員10人の会社を3年で100人にする成長型労務管理】 社員300名の中小企業での人事担当10年、現在は特定社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツを「わかりやすさ」を重視してお伝えいたします。 その知識を「知っているだけ」で防げる労務トラブルはたくさんあります。逆に「知らなかった」だけで、容易に防げたはずの労務トラブルを発生させてしまうこともあります。 法律論だけでも建前論だけでもない、実務にそった内容のメルマガです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理 』

【著者】 特定社会保険労務士 小林一石 【発行周期】 ほぼ週刊

print
いま読まれてます

  • 「始業時間前の朝礼、賃金払え」「自由参加だからダメ」判決は?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け