シャンプーを始め、化粧品・トイレタリー商品のケース・容器には、使われている薬品名などがすべて表示されていますが、この表示をまじまじと眺めて成分を確かめる人は少数派かもしれません。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では、著者で科学者のくられさんがシャンプーを例にあげて「なぜ、あんなにとろりとしているのか」について豆知識を披露しています。
シャンプーはどうしてとろりとしているのか
ドラッグストアなどで広く売られているシャンプー。ボブボブを押すとにゅ~っと出てくるあの独特の質感。あのトロミは一体どこから来ているのでしょうか。
現在多くのシャンプーに使われている合成界面活性剤は、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)である、ラウレス硫酸ナトリウムなどが使われていますが、これは単品だと脱脂力が強すぎてシャンプー後、頭皮が乾燥してしまい、そこから頭皮のトラブルなどを起こすため、両性界面活性剤を入れてリンス的な効果を持たせています。
ラウレス硫酸ナトリウムを溶かした液体は普通にサラサラなのですが、そこに両性界面活性剤を入れ、さらに塩化ナトリウムやカリウムを入れるとイオンの比率から分子が絡まり、水をだきこんであの独特なとろみが出ているわけです。
両性界面活性剤は、その名の通り、陰イオンと陽イオン(アニオンとカチオン)の両方のイオンを放出する性質がある構造で、有名なものはラウリルベタインなどが知られています。
なので、その辺のシャンプーを見るとだいたいこの3つの成分がセットで入っているわけです。
だからどうしたといえばそれまでなのですが、シャンプーの性状を見ても「どうしてかな?」と思うように、いろいろなものに興味をもつきっかけになれば…と思うわけでw。
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