止まらぬ迷惑行為。マンション敷地内は「部外者立入禁止」か?

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近隣住民の抜け道として使われることも多いマンションの敷地。「関係者以外立ち入り禁止」の看板が立っている場合もありますが、どれほど有用性があるのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で著者の廣田信子さんが、様々な例を上げながら考察しています。

「立入禁止の看板」どう思いますか?

こんにちは! 廣田信子です。

読者の方から、敷地内立入禁止の看板の是非について質問がありました。

マンション敷地の入り口に、「関係者以外立ち入り禁止」とか「当マンション住人以外立ち入り禁止」などと書いた立札を立てているのを見かけます。私有地に他人が入ることを拒否したいのでしょう。

 

私は、住人以外の人でも人が通過することで人の眼があることが何らかの抑止力があるのではないかと考えます。

 

このような看板の是非についてどのようにお考えでしょうか?

みなさんはどう思われますか?

まず、そのマンションの敷地が、通り抜けられると、地域の方にとって、たいへん便利な位置にある場合と通り抜けに使うような立地でない場合とで考え方は違ってくると思います。

後者の場合は、立入禁止でも、特に問題はないと思います。前者の場合、広い敷地を持つ団地で、その団地の敷地を通れないとなると、近隣の住民が駅に出るのに遠回りになるようなケースだと、団地計画の申請の段階から周辺住民が敷地内の道路を使うことを容認する条件がついていることも少なくありません。

そうでなくても、いろいろなところに出入り口があって、敷地内の通路がはっきりしている敷地だと、地域の方が通ることを容認していて、特に禁止するようなことをしていない団地も多いです。

前に話を伺った駅前の大団地では、団地の奥の戸建ての方々が、団地の敷地を通行するのは大歓迎。地域に貢献するのは団地の役割だと思うし、人の通りがあることが防犯上も効果がある(駅に通じているので、常に人通りがあるのです)。そう語られていました。質問された方の感覚に近いのだと思います。

しかし、別のケースもあります。隣のマンションの方が、買い物や通学に敷地内の道路を通り抜けに使っていた団地で、あるとき、「関係者以外立ち入り禁止」の看板が立ちました。ペット禁止の団地なのに、ペットを連れて通る人がいて、時には植栽におしっこをしている(ちなみに、隣のマンションはペット可です)、自転車に乗ったまま通り抜ける人がいて危ない、そんな苦情が管理組合に寄せられたことがきっかけです。普通に歩いて通り抜けるだけなら、そんなことをしなくてもよかったのでしょうが…。

理事会や管理会社は、住民から安全や環境保全に関わる苦情があると、それを注意する掲示をしたり、看板を立てるという対処をします。自分たちの敷地内で何で住民以外の人に迷惑を掛けられなければならないのだ…という声は、正当な主張なので、対応しない訳にはいかないのです。住民の迷惑を考えずに当たり前のように使われるのは困るという意思表示です。

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