出所者を雇うことが、人材不足解消と再犯防止の切り札になる

 

E子 「今回、この事業を実施するハローワークのうち4ヵ所と雇用に協力する事業所5社から、就労支援の工夫や雇用事例について 聞き取り調査をしたそうよ。厚生労働省は、報告書を通じ、『刑務所出所者等就労支援事業』の取組について広く国民に周知し、刑務所出所者等の就労に関する理解の促進を図っていくのが狙いのようね」

新米 「ハローワークは、僕らの仕事に直結してるけど、どんな取組をしているのかなぁ?」

E子 「たとえば、出所直後から就労と住居を確保できるよう刑務所内で職業相談・職業紹介をしているんだって」

大塚 「へぇ~、刑務所内でも動いているんですね」

E子 「そうね。寮のある事業所を紹介したり、ハローワーク長野では、刑務所内で就職面接会の実施、ハローワーク明石では、内定通知書を出所の前に発行して、出所へのモチベーションを向上したり、そういうことを出所前にしているようね」

新米 「そういえば、うちの区にも刑務所ありますね」

E子 「ハローワークでの出所後の就労支援は当然、ナビゲーター、保護司、保護観察官等が協力して保護観察対象者を支援したり、ハローワーク福岡中央では、公共職業訓練や農林漁業就職支援を活用したり、事業所との面接時にスーツを貸与したりして、就職を実現していっているそうよ」

新米 「スーツの貸し出しですか。これだったら、福岡だけでなく、どこでもできそうですね」

大塚 「そういえば、刑務所を出所するとき用の洋服を寄付している人もあるってきいたことあるわ」

所長 「なになに…。私も昔、中小企業家同友会でそういうボランティアをしている人から洋服の寄付依頼があって協力したことがあったなぁ…」

大塚 「そんなことがあったんですね」

所長 「そうだね。先日の豪雨災害で古着の寄付は受け入れてもらえなかったんだ。受入れてくれる刑務所へはまた寄付してもいいなぁ…って考えていたところだよ」

E子 「他にハローワーク堺では、刑務所の入所歴を開示し、更生の意欲を伝えることで対象者と事業所の信頼関係を構築したり、ハローワークごとにもそんな取組みをしているようね」

大塚 「この事業では、犯罪や非行をした人を雇用し、立ち直りを助ける『協力雇用主』を募集しているそうですね」

新米 「『協力雇用主』の募集ですか、ふーん」

大塚 「いま、全国に2万の協力雇用主がいらっしゃるそうだけど、実際に雇用に結びついたのは、そのうち900ほどに留まっているらしいわ」

所長 「建設業が半数以上、サービス業、製造業を入れると3業種で8割、従業員100人未満の会社が7割を占めているそうだね」

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