その一方で2000年代に入るとIT(情報技術)・デジタル時代となり、スマホやインターネットがライフスタイルを大きく変えていった。コミュニケーションの手段は通話だけでなくメール、インターネットで様々な情報を好きな時間に手にすることができる上、買い物や遠く離れた人、企業と空間を越えて取引も出来るようになった。地方の中小企業がネットを通じてビジネスもでき、一挙に爆発的人気を得ることも珍しくなくなったのだ。
もちろん新しい技術、ライフスタイルの変化などにつれて、これまで思いもよらなかった問題を引き起こすことも多い。弊害の規制や法律、対策ができないうちにどんどん新しいアイデアによる製品やシステムができてしまうからだ。
こうしてふり返ってみると、平成の30年は新技術が先導しながらライフスタイルや物の考え方、個々人の生き方などを昭和時代から全く変えてしまった時代だったといえるかもしれない。多くの年老いた人間にはアナログ時代の方が慣れてすごしやすかったと感ずるだろう。若いチャレンジングな若者には長幼を重んずるこれまでの日本社会には無かった新しいチャンスと捉えるだろう。
平成の後にはどんな社会、人生が待ち受けているのか。それを見通すには平成時代を今のうちにじっくりと考え、総括しておくことが大事になってくるのではないか。(財界 2018年8月28日号 第477回)
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