未来を左右する日米首脳会談。最悪、戦時中に逆戻りする可能性も

 

自動車と農産物

当面、赤字解消をするとして交渉に臨む。日本は人口減少で労働人口が少なくなり、工場労働者も少なくなって、自動車産業も研究開発と母工場などに集約して、生産の多くを海外に移す必要がある。米国で販売する自動車は米国で作ればよいのである。しかし、急にはできない。徐々に移行することで交渉すればよい。

米国の貿易赤字を縮小するためには、LNGを大量に輸入して赤字を失くすことで、日本で生産する輸出自動車のすべてを米国生産とはならないはず。母工場分の生産を維持するためである。

農産物は、円ドル固定相場にしないなら、超円安時に輸入品が高騰してしまうので、コメなどの重要な農産物は日本国内で作る必要がある。

しかし、農業従事者の年齢が70歳であり、今後離農が増えるので大規模農家を育成して、農産物価格の引き下げを行うことである。そのためには卸を通さずに、直接的な売買を活発化して、流通経路の自由化を一層図ることである。特に日本の畜産品価格は高すぎる。特にバターなどの加工品。

今の時点で、日本で高収入を得ている農家は、北海道や大潟の大規模農家と野菜を作る近郊農業、ミカンやりんごなどを作る果実農家の3つしかない。この3つに集約することである。

トランプ対策

しかし、ウッドワードの本に書かれているトランプ大統領は、小学5年生程度の考えで脅しで何事もできると考えているようである。

そのような対応で同盟国を恫喝すると、ドル基軸通貨制度を潰すことになり、1度潰すと、2度と戻れないことになると注意した方が良い。しかし、ヘリテージ財団やムニューシン財務長官はわかっているが、トランプ大統領は、ドル基軸通貨制度が米国にとって一番守るべきシステムであることが、わかっていないようにも見える。

そして、米国が他国を脅すことで孤立化を推進するなら、世界経済も下降して、日米同盟も成り立たないことになる。その時は、日本は安定を求めて、あまりやりたくないが、中露にも近づく必要がある。サウジやイスラエルが行っていることをするしかなくなる。

その時には、世界の風景は大きく変わり、国家主義が天下を取ることになる。日本もその影響を受けて、戦時中と同じような国家統制の強い社会になるが、日本は過去に経験しているし、世界が貧しくなり日本も貧乏になり、その時は日本国民も皆が等しく貧しくなる方が良いかもしれない。そのための仕組みを考えることも必要になる可能性がある。

どちらにしても、トランプ大統領が早く正気に戻り、世界の民主主義国と協力して民主主義を守る国家でいてほしいと願うのは、私だけではないと思う。

さあ、どうなりますか?

image by:  phol_66 / Shutterstock.com

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