安く落札しメンテナンスでボロ儲け。日本ITゼネコンのズルい手口

 

ウェブサイトをITベンダーに頼んでゼロから作ってもらうと、少なくとも数十万から数百万円のお金がかかります。Squarespaceのようなテンプレート型と比べて、自由度は高いのですが、コードのクオリティは様々です。(上に書いた理由で)メンテナンス性が高いコード、コンテンツだけを変更しやすい設計は、ほぼ期待できないと言って良いと思います。

特に日本の場合は、ITベンダー自身はプログラマーを抱えておらず、仕様書だけを書いて実装は下請けに丸投げし、その下請け企業で働いているプログラマーの多くは、過酷な労働環境で働いている薄給のエンジニアなので、まともな設計やコードは期待できません

そのため、ちょっとしたアップデートでも、同じベンダーに頼まなければいけなく、(競争がないだけ)どうしても足元を見られて高くなります。それが嫌で、他のベンダーにアップデートを頼むと、「こんなコードをメンテナンスしていたら逆に高くつきます。ゼロから作り直したほうが良いでしょう」と言われるのが落ちだと思います。

それと比べるとSquarespaceのようなSaas型のサービスのコードは、大学や大学院でちゃんとコンピュータ・サイエンスを勉強した一流のエンジニアが、「メンテナンスのしやすさを最優先にして設計・実装しているため、はるかにクオリティの高いものになっています。

ITベンダーにこの話をしても、真っ向から否定してくると思いますが、これが現状なのです。

SaaSビジネスは、顧客ごとに個別のコードを書くようなことはしないし、コンテンツのアップデートにも関わりたくないので、コードとコンテンツの境が非常にはっきりしており、(テクノロジーが理解できない)顧客が直接コンテンツを編集できるように設計してあるのです。

数十万から数百万円のお金をかけてITベンダーに作ってもらった特注のウェブサイトよりも、月々2,000円で使えるウェブサービスの方が、コードの質が高いし保守コストも安いコンテンツの変更も簡単に出来るという事実は直感的には理解しにくいし、顧客としては全く納得できないとは思いますが、それがソフトウェアというものなのです。

このケースは極端な例ですが、これがまさに、DocuSign、Slack、Salesforceなどの企業向けのSaaSビジネスが急激に伸びている理由なのです。

print
いま読まれてます

  • 安く落札しメンテナンスでボロ儲け。日本ITゼネコンのズルい手口
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け