科学者も実践。白髪染めの効果をより引き出すための「裏ワザ」

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日常の中にも「面白い科学」はたくさんひそんでいます。液剤で毛髪を染めるという白髪染めも、実は立派な科学だったりするのです。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で科学者のくられさんが、ヘアマニュキアタイプのトリートメントヘアカラーの化学的特性を解説したうえで、画期的に染まる方法を紹介しています。

白髪染めのハナシ

寄る年波には勝てず…自分も白髪が生えるようになってしまいました。とはいえ、何故か前髪の生え際に固まって生えてきたので、放置しておくと海原雄山のようなメッシュが入って、わざと抜いてカッコつけてるみたいでみっともないので染めることにしました。

で、白髪染めをいろいろ試したのですが、結局、よくある家庭用ヘアダイだと、脱色こそしないので髪へのダメージは少ないとはいえ、これは何度もするものではないなと考え直し、ヘアマニキュア的なトリートメントタイプの白髪染めを使いました。

この白髪染めの成分は塩基性成分(たぶんエタノールアミンのようなもの)、植物染料(雰囲気的に入ってるだけ)、HC染料。HC染料は2001年以降登場した、もともとインクとして開発されていたもので有害性が低いので認可された成分です。2000年以降、ビビッドなピンクや紫、緑色のヘアカラーが美容院で流行ってきたのは記憶にある人もいると思います。アレです。

HCカラーを主原料としているヘアカラートリートメントなら商品はなんでも良いです。自分はルプルプが入手性が高いので使ってますが、ぶっちゃけどれも似たようなものだと思います。

この染料の特徴は毛のキューティクルの隙間から入ってほんの少しだけ色が定着します。つまり付けても数日でおちていくのが前提の染料で、本来の開発目的であったインクとしてはマジで使い物にならない不安定さから長らく放置されてたものです。が、皮膚への刺激性の低さや色の豊富さからヘアカラーとしてはかなり使い勝手の良いものとなっています。

で、この染料、実はアルカリ環境でめっちゃ染まるという裏技があり、少し濃いめに作った重曹の水溶液を生え際に塗って髪に浸透させて一端乾燥そこに染料を塗って染め上げるとめちゃめちゃ色が入ります。原理は簡単で、アルカリで髪の毛を電気的にキューティクルを逆立てた状態にし、そこに染料がめっちゃ入るというものです(普通に使ってもそれなりに染まるので、この裏技は別にやらなくてもいいのですがw)。

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