また、こういった音の持つ性質は、オノマトペに限ったことでもないようです。現代の日本語ではオノマトペでない、他の品詞においても、例えば、お湯が「ぬるい」には「ぬ」が含まれていますが、これはおそらく、ナ行の含む性質が、そのまま形容詞という形で固まっていったのではないかと、推測されるのですが、いかがでしょう?
音韻の性質を反映した言葉が多い日本語
このような音韻が含む性質から成り立っている日本語、オノマトペ以外にも、とても多いと思います。
私もいま、この記事を書いていて、あまりにも多くの日本語が、音の性質を反映していることに、改めて驚いています。特に「和語」「やまとことば」に、その傾向があるようです。
それに対して漢字を音読みする「漢語」では、
- どこかゴツゴツした硬さ
- 力強さ
- 論理性
は感じますが、音韻から言葉の性質まで読み取ることは、少し難しく感じますね…。
そして漢語の持つそれらの性質は、使いようで表裏一体の結果にもなります。例えば、論理性は理屈っぽいにも通ずる、ということですね。
いずれにせよ、和語を使うにしても、漢語を使うにしても、口語を操るのであれば、その音韻の性質まで制御できるところまで、目指したいものですね。
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