高城剛の未来予想2019「今後、アメリカ西海岸で独立運動が起こる」

 

インドはカオスを抱えたままデカくなる?

──EUといえば、イギリスが2019年の離脱に向けて正念場を迎えてますが、今後EUの枠組みはどうなっていくのでしょうか。

高城:僕の見立てでは、EU壮大な社会実験の第一段階で、簡単に言うと各国の法律は大きく変えず、経済だけ上手に統合して市場を作ってみようっていう、グローバリゼーションの実験だったわけです。この目論見は、失敗しました。単なる「資本家のシナリオ」に過ぎなかった。だから、各地で暴動や政変が起きてるわけです。

わかりやすく言えば、株価や不動産がいくら上がっても、市井の人々が反比例的に不幸せになる点に尽きます。要するに、経済だけをまとめた単一市場では、資本家はさらに潤い、各国国民は疲弊する。しかし今後、法律も含めた全地域的な政府、現行のEUよりも強力な政府ができれば、ひょっとしたらうまくいったかもしれない。僕が思うに、2040年ぐらいになると思いますが、そういった流れがもう一度起きると考えています。その予兆を、ここ3年ほど世界中を回って取材を続け、毎週メールマガジンでアップデートしてますが、どこかで一冊にまとめたいと考えています。2050年に、世界がいったいどうなっているのかを。

なにしろ、今の世界を取り巻く金融法はザルだらけで、グローバル企業が法の目を潜ることは、難しいことではありません。国民のお金を使って株価を高くし、それに準じて大企業は自社株買いを続ける。そして、アイルランドなどのオフショアを抜け道にして節税します。こういうザルが世界中にあるわけですから、そのザルの穴を塞がなければどうしようもないわけです。「ゴーン逮捕」も、この動きに連なっているのです。今後、グローバリゼーションとインターネットの分断が、20年以上に渡って続きます。

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すでにEUは、2018年5月にGDPR(EU一般データ保護規則)を始めて、時代の象徴的なIT企業、GAFAが、ヨーロッパに簡単に入れなくなりました。要するにネット上に壁ができたわけです。これからのEUは、様々な法律を作って、こういう「サイバー城壁」を作っていくと思うんですが、結局それが強力なEU政府Ver2の礎になっていくんじゃないかなと思います。ただ、それに至るまでの間は、混乱の時期が当分続くんじゃないでしょうか。

──なるほど。こうして見ると、確かに今のヨーロッパは中国どころじゃないですね。

高城:ちなみにその中国も、2015年の6月に上海の市場が崩壊して、バブルが弾けました。僕の見立てでは、今後2020年前半に金融機関がバタバタと倒れ始めるのではと考えています。

どういうことかというと、中国って日本のだいたい20年遅れなんです。それは人口ピラミッドをみると明確で、多くの若者が老人を支えるというピラミッド型から、だんだんと壺型になってしまって、どうしようもなくなってるっていうのが、今の日本ですよね。中国も、20年遅れでそうなっているんです。

景気動向の波も同じようで、中国はバブルに関しても、日本の20年遅れで始まって、そのバブルも先ほど言った通り、すでに崩壊しました。日本では1990年にバブルが崩壊して、1997年に山一証券などの金融機関が続々潰れたんですが、そこまで7年のブランクがあった。だから、上海市場が崩壊した2015年の7年後、すなわち2022年前後になると、現地のシャドーバンキングが一斉に傾くんじゃないかとみています。

ただ、中国が日本と違うところは、共産党による一党独裁の国家だということ。一党独裁の場合は市場のコントロールが効くので、まだ強いんです。とはいえ中国はとにかく巨大なので、いざという時に本当にコントロールができるかどうかは分かりません。

──中国の経済が今後どうなるかわからないとなると、次に来る国はインドとかになるのでしょうか?

高城:いや、「次はインドだ」って多くの識者が話しますが、インドは相変わらずカオスですよ。先月も行きましたけど、相変わらず車線がなくて、全員が突っ込んでくる(笑)。見た目は綺麗になったところもありますが、メンタリティは、まったく変わってない

この前ハイデラバードで見たんですが、インドではバイクが違法駐車してたら、駐禁の取り締まりでトラックに積んで勝手に持っていくんです。ところが、道にいる牛は取り締まっていません。聖なる生き物ですから。で、牛が電気街の真ん中を塞いでいても誰も何もしないから、大渋滞になってるんですよ。

一見、インドはすごく近代化しました。スタバができたり、空港が停電しなくなったりとか。僕がはじめて行った30年前と比べたら隔世の感はあります。でも、基本的なメンタリティっていうか、そういうのは相変わらずだと思います。よく言えば、個人主義国家。皆、自分のことだけしか考えていません。つまり、「和」がない日本と対極の国なんです。インドは、このカオスを抱えたままデカくなるじゃないでしょうか。

最近、京都にもインドからの観光客がすごく増えていますが、今来日してるのは、まだ上品なインド人。イギリスやアメリカに留学経験があるような、国際的なモラルがある人たちです。これからは、新中間層に成り上がったインド人がどんどん来て、無茶苦茶なことになると思いますよ。お水取り場で、洗髪するような。

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