高城剛の未来予想2019「今後、アメリカ西海岸で独立運動が起こる」

 

ゆくゆくはアメリカ西海岸が独立運動を起こす?

──中国もいよいよ経済が傾いてくると、フランスのように暴動が起きたりといったことは考えられますか?

高城:たぶん、中国でも大暴動が起きるでしょうね。ただ、共産党が軍を持ってるんですよ。それは強いですよね。この辺りが、日本とは違う。

また、日本でも2020年代には政権交代が起こるでしょうね。前にも話したかもしれませんが、先ほど話したイタリアと日本って、似てるところがあるんです。そのイタリアでは政治の中枢に素人が入って来てるのと同じように、日本でも3週間前まで派遣の社員だったような人が政治家になるようなことが起きてもおかしくないでしょうね。テレビが信用力を失ってきていることから、テレビタレント出身者は、信用されなくなるでしょう。

だから今後は本当に純粋な人たち、煮え湯を飲まされてきた派遣の社員だったりシングルマザーたちが政党を作って、どんどん都政や国政に進出してくるんじゃないでしょうか。この動きが、2020年代後半から30年代前半に起きるでしょう。

──EUはもうボロボロだという話でしたが、アメリカの状況はどうでしょうか。経済的には景気の拡大が永らく続いている状況ですが……。

高城:アメリカは、2極化がますます進んでいます。例えばオレゴン州のポートランドは、ホームレスがどんどん増えていて、今や人口の1%を超えるまでに急増しています。実際に行くと、道端にホームレスがいっぱいいて、子どもたちがそれをゲームのように避け、学校に行ってるみたいな状況です。ただ、景気がいい街は景気が良くって、シアトルなんかはすごく賑わってますね。無人コンビニ「Amazon go」や、スターバックスの巨大な旗艦店に代表される新しい店がいっぱいできています。

無人化は今後のトレンドに絶対なっていくと思います。僕も2018年1月に「Amazon go」ができた時、早速行きました。そしたら面白い事に、サンドイッチとかは人が作っていて手作りなのに、それを買うレジは無人、どころかレジもないんです。中国でも、新興無人コンビニチェーン「Bingo Box」が、急増中。オンラインショッピング大手の「京東」(チントン)も、無人スーパーを増やしています。こういう傾向は、世界中にあっという間に広がるでしょう。

中国に雄安新区という街があるんですけど、ここは中国政府が作る未来都市なんです。域内のバスはすべて無人バスで、道路にカラーで線が描いてあって、自動運転で色によってルートを認識します。先にあげた「京東」は、無人配達車が家まで商品を届けてくれる。もちろん、街中にある「京東」のスーパーマーケットは、無人店舗です。

日本だと、AIとかIoTとか、ワケ知り顔の人たちが「それ風ワード」を取り上げて語っていますが、賢明な読者の皆さんは、世界の先端地域を実際に見に行った方がいいと思いますよ。肌感覚で未来がわかりますから。僕のメルマガなんて、読まなくていいので(笑)。

ちなみに、こういう無人の店だと、スマホを忘れたら大変だと思うじゃないですか? 実は顔認証で、入館から決済まですべて行われていて、もうスマホは要らない。つまり、中国ではポスト・スマートフォンとして、すでに身体の時代になっているんです。顔認証といっても007のような全世界の人々の顔照会みたいな仕組みじゃなくて、自分の顔をスマホ経由で登録しておいて、スーパーやコンビニに入る時に顔を撮るという。それだと一対一だから確認も早くて、店にすぐ入れるんですよ。それでどんどん買い物ができるんです。

そういうわけで、雄安新区のシビックセンターはまるでゴーストタウンみたいになってる。だって自動でモノは届けに来るし、ピザとかも全部無人で来るから、外に出る必要がない。ホテルに行っても、チェックインカウンターに誰もいないんですよ。だから、いっぱい人は住んでるはずなんだけど、街はガラガラ。でも、最近は観光名所になってて、観光客だけがいっぱいいる。北京から車で1時間半ぐらいのところなんだけど、いまの中国では最もアツい観光スポットなんじゃないでしょうかね。

このように世界は無人化に向かっていて、その先端の場所が、まるで観光地のように人が集まるパラドックスが起きています。自動化された街に住む、引きこもりのロボットメンテンテナンス・エンジニアか、上がり下がりの激しいヒューマン投資家。そして、彼らが住む無人の街を見にくる観光客。他は、その街に入れない、時代に取り残された失業者。これが、本当の近未来風景なんですよ。AI時代なんてワードが出たら、もう時代遅れです。

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トランプ政権が失業者のためにっていうことで、工場を海外に移転させないようにメキシコに壁を立てるとか、いろいろ言ってますよね。でも結局は時代は無人化に向かってるから、失業するのは同じなんですよ。そもそも無人化って、シリコンバレーとか西海岸の基幹技術です。すべてを無人化するために、一時的に人々が大勢働かざるを得ないジレンマがある。それが現在で、すでにピークアウトしました。それこそ西海岸に壁を立てないと、アメリカはどんどん無人化が進んで、失業問題が改善されない。だからトランプ大統領は、いつか西海岸に厳しい制裁を科すんじゃないでしょうかね。そしたら今度は、西海岸が独立運動を起こしますよ。ブリグジットみたいにね。この冗談のような話が、本気で議論されるのが、2030年代でしょう。中国に支えてもらっていた米国経済が深刻化する2020年代後半から、ムーブメントがはじまる。

EUっていう枠組みがダメだからイギリスが出ていこうとしてるように、カリフォルニアも離脱しようとする。実際は独立しなくても、州の権限が強くなる。こういう風にして、今後20年は、世界中が分断されていくと思います。実は、カリフォルニアで独立のための住民投票が2019年にありますが、そこでは通らないとしても、10年後の世界はわかりません。2020年代終わりには、カリフォルニアがアメリカ合衆国内で、形はさておき独立してるような状態になるかもしれないことは、想定に入れておいていいと思います。一地域二国制度……中国における香港のような感じに、カリフォルニアがなる可能性は十分にありますね。そして、メキシコのバハ・カリフォルニアを飲み込み、北米協定を超えた生産拠点を作る。この動きに、ワシントン、オレゴンも続くでしょう。(次回につづく)

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高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けするメルマガ「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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