仕事を止めるな!自分の「判断待ち」で部下の時間を奪わぬ方法

shutterstock_62359285
 

部下や後輩から相談を受けても、すぐには結論を出せず先延ばしにしてしまう―。そんなお悩みを抱えるビジネスパーソンに向け、今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では、著者でテレビ朝日『報道ステーション』などの解説でもお馴染みの谷原誠さんが、「最終的な結論を出すよりもまずは具体的な指示を出すべし」としてその理由を記しています。

金貨を減らすな

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

ある村では、不思議なルールがありました。大きな金貨が1枚あります。村人達は、仕事で進め方や方針など、決めなければその先の作業ができないようなことがあるとその金貨を持って村長のところに相談に行きます。

そして、相談をして、金貨を村長のところに置いて帰ります。村長は、回答を考えると相談者を呼びその回答とともにその金貨を返します。すると、次に相談ごとがある村人が、金貨を受け取り、金貨を持って村長のところに相談に行くのです。

そして、その金貨は、村人のところにある間は変化がありませんが、村長のところにある間はどんどん小さくなっていきます。そのため、村長は、できる限り早く回答し、金貨を村人に返さなければなりません。

そのうち、村長は即断即決するようになり、村人は金貨を持って村長のところに行っても、村長がその場で回答をするようになったので、そのまま金貨を持ち帰るようになり、金貨はそれ以上小さくなることはありませんでした。

この金貨は村人全員の時間です。

なぜ、金貨の大きさは、村人が持っている時は変化なく、村長が持っている間だけ小さくなっていくのでしょうか。それは、村人が持っている間は、村人達はするべきことをし時間を有効に使っているためです。

しかし、村長が持っている間は、どうでしょうか。村人は、村長から回答があるまでは、方針が決まっていないのですから、仕事を進めることができません。無駄な時間を過ごしているのです。

村長が、「難しいから後で考えよう」と、他の仕事に取りかかると、その間じゅう、村人は、ずっと待ち続け、無駄な時間を過ごし続けなければならないのです。

ですから、村長は、自分で解決しようとし、自分で情報を収集し、最終的な正しい回答をしようと自分の時間を使ってしまうと、自分の時間と同時に村人の時間まで奪ってしまうのです。

print
いま読まれてます

  • 仕事を止めるな!自分の「判断待ち」で部下の時間を奪わぬ方法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け