サンゴ礁の死滅が途上国の人々に「深刻な健康被害」をきたす理由

2019.04.23

鉄と亜鉛の欠乏

魚介類には鉄や亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。鉄と亜鉛の欠乏でも重い病気になります。鉄欠乏では貧血が有名ですね。爪がスプーンのような形に変形することがあります。貧血が慢性的に進行すると心不全をきたすことがあります。

鉄欠乏の患者さんではまた、異味症という異常な食行動をみることがあります。これは、氷を食べたくなるという症状です。若い女性で月経過多があり、氷を食べたくなったというケースが受診すると、月経の過剰出血による鉄分の欠乏を私たち医師は疑います。

亜鉛の欠乏は味覚低下をきたします。好きなメニューを食べても美味しく感じなくなるので、とてもつらい症状です。また、口や肛門の粘膜が炎症を起こして痛くなります。さらにはひどい下痢で悩まされることになります。

このように、ビタミンとミネラルが欠乏すると、様々なひどい症状をもたらす病気を発症します。これらの病気の多くは途上国の人々に発症しますが、その原因をつくりだしているのは先進国と大国です。日本は二酸化炭素排出量世界第5位です。環境破壊の責任を自覚して皆で行動することが求められています。