日本ならNG「寿司にスプライト」。米国人のソーダへの異常な愛情

 

置きが長くなりましたが、今回のメルマガのテーマです。

テーマは、これら「ニューヨークの日本食レストラン」ではなく「ニューヨーカー、ひいてはアメリカ人にとってのスプライトもしくはコーラソーダ類)」です。ちなみに、日本で「ソーダ」と聞くと、三ツ矢サイダーのような、透明の甘い炭酸水をイメージすると思いますが、こっちは、コーラもスプライトもドクターペッパーもファンタまでぜんぶSODA」と言います(ここから先に出てくる、「ソーダ」は、コーラ、スプライト、ファンタ、それら全部を指すと思ってください)。

アメリカ人がソーダが大好きなのは、いまさら目新しい話ではありませんが、ただ、日本の方が想像する以上に彼らはソーダ中毒です。ちょっと異常なほど。ひょっとすると彼らにとっての「ソウルフード」なんかもしれません。飲み物だけど。

以前、取材に行ったヨガスタジオやトレーニングジムでも、受付に、コーラの自販機が設置されていました。ヨガのアメリカ人インストラクターが「心を穏やかに」とか「体の毒素を吐き出すように、呼吸をして」とか、「体内のリズムを宇宙の呼吸に合わせるように」とか、そんなセリフを使ってクラスでセッションしたあとに、ロビーでゴックゴク、ドクターペッパーを飲んでいるところを見た時には、ひょっとして、シュガーが体に良くないことをこの人たち、知らないんだろうか、と思ったほどでした。宇宙のリズムに合わせる前にコーラやめろ

こっちのスーパーには、日本のスーパーではあまり見ることがないソーダの3リットルペットボトルが普通に売られています。主婦が、6缶セットのソーダをレジに持って行く光景は日常です。

映画館は、日本のようにアイスコーヒーや、エスプレッソや、緑茶なんてありません。バケツサイズのソーダのみ。以前、ITO ENのペットボトルのお茶を飲んだ女性が「なにこれ!まったく味がしないじゃないのよ!それで4ドル!!!????」と店員に文句を言っている場面を目撃したことがあります。

ベンダー(屋台)で、チキンオーバーライスを買うと缶ソーダが無料でついてきます。日本の屋台で何か買ったとして、コーラがおまけでついてくることは、まずないと思います。それだけソーダが身近です。デパートやホームセンターに行くと「自宅で簡単にソーダが作れるマシーン」が当たり前のように売られています。さすがに一家に1台の割合で普及しているとは思いませんが、大阪においてのたこ焼き焼き器くらいは出回っているんじゃないでしょうか。少なくとも、エスプレッソマシンなんかよりは普及しているはずです。「炭酸水と砂糖を入れて、誰でも簡単にソーダが作れる」代物が、です。

僕が渡米した20年前から、おそらくそのずっと前から、デリにはコーラ、スプライト、ドクターペッパー、それらのライト、ライム、ダイエット、ゼロカロリーが所狭しと、置いてあります。そのレギュラーメンバーの顔ぶれは今も変わっていません。日本のコンビニエンスストアのように新商品が毎月ごとにどんどん出る、なんてことはありません。逆を言えば、それだけ消費者が満足しているということ。コーラに。スプライトに。ドクターペッパーに。空前のロングセラーと言えます。

朝、出勤時に、缶コーラを片手に歩くビジネスマンもよく目にします。とにかく、この国は「SODA」だらけ、です。

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