観葉植物は部屋の中をとても落ち着いた雰囲気にしてくれるものですが、それがあの忌々しい生物の発生源になっているとしたら…。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で科学者のくられさんが、コバエ根絶法や「コバエホイホイ」をさらに強力にする方法を紹介するとともに、自作ホイホイの作り方もレクチャーしてくださっています。
コバエ対策+コバエ殺虫ゼリーを作る
このシーズンショウジョウバエでお困りの人も多いはず。
コバエ…と一言に言っても、種類があり、それが「どこからきているのか」を突き止める必要があります。基本的にコバエは個別に撃破しても発生源を押さえない限りどうしようもありません。
生ゴミやぬか床など、忘れた有機物に湧いているパターン。これは発生源に数が多いため見つけるのは簡単です。そして発生源をクリーンにすれば解決です。
次に下水から上がってくるパターン。チョウバエとよばれる妙にモフモフしたコバエは下水から来ている場合が多く、その場合は下水溜めの洗浄、パイプ洗浄剤などできれいにしたり、排水溝のぬめり取りなどを1粒いれておけば侵入を防ぐことができます。
そして地味に多いのが発生源不明のパターン。多くは観葉植物の土などが発生源になっており、繁殖力が旺盛…というほどでもないので場所の特定が困難なのが特徴です。まずはコバエホイホイなどを置くのですが土からくるコバエは甘い匂いよりたんぱく系の臭いに誘因されやすいので、市販のコバエホイホイにめんつゆを数滴垂らしておくと劇的にとれるようになります。
さらに、観葉植物の根元に薔薇用の殺虫剤を1回念入りに撒いて、数日後もう1回まきます(卵などが一部殺虫剤を逃れているので)。そうすれば劇的にいなくなります。
現在多くの「コバエホイホイ」が売られていますが、この商品は画期的で、その形状と性質からかなり誘因性が高く、強力な殺虫成分でコバエをノックアウトします。使われている薬剤は蒸気圧が低く、まず蒸発しないジノテフランで、カブトムシやスズムシなどの虫かごの横においても、殺虫成分がとんでいって悪さをするということもまずない(あまりにもたくさん置くとあるかもですがw)という点が優れています。
実は中身を自分で作ることも可能です。
○材料
- スタークル アルバリン:いずれも同成分の農薬。ホムセンの農薬コーナーで購入
- イナアガー:常温でも溶けないゼリーを作るには必須
- ブドウジュース:100%果汁のものならなんでもいい
- メープル香料:無ければ安売りのメープル風シロップでも可
- めんつゆ:安物のめんつゆ
- 抗生剤:農薬コーナーで売っている
- 水150ml、ブドウジュース50mlを沸騰させ、イナアガーを3g程溶かし込む。スタークルやアルバリンを1~2g加えよく混ぜ込む。農薬なので、専用の鍋で煮込み作業を行います
- 全液が火を止め指を入れても大丈夫な温度、40度くらいになってきたら、さらに防腐剤として同じく農薬コーナーに売られている抗生剤を適当に1gくらい入れます。続いてメープル香料、めんつゆを小さじ1杯混ぜ込む。あとは金属製バットなどに流し込み、冷蔵して固めます。うっかり誰かが食べないように注意しましょう
- カッターでサイの目に切り込みをいれ、通常のゲルマットとして使用。余ったマットは、パウチなどに入れて密封して冷蔵保存しておけば、2~3ヶ月は持ちます。冷蔵保存時には「殺虫剤」とパウチにマジックに書いてなんだかわからないようにならないようにご注意
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