外から招いて外に出る。「学校を社会に開いて始まる」教育改革

 

4.宿題と校則の廃止

最近、前時代的な校則が話題になることが増えているが、私は校則は廃止しても良いと考えている。校則がなくても、社会常識や法律を学習すれば、学校内が荒れることもないだろう。 服装や髪形、化粧等を規制することは、多様性を認めないことにもなり、異なる人種、異なる宗教、異なる生活慣習を学校が受け入れられないのは、むしろ学校に問題があるのだ。

校則を作らなくても、清潔な服装を維持することが社会的な信用につながることも教えればいいし、西欧社会や日本社会における服装のタプーなども、その歴史等を教養として授業で教えるべきだと思う。 事実、校則で抑圧することが却って服装の乱れを生み出す場合がある。社会人になり、自由になると、逆に好感がもたれるファッション等を意識するようになるのだ。つまり、学校を孤立した空間にするのではなく、あくまでも社会の中の一部であり、社会と同じ規範や常識が適用されるという環境を作ることが必要である。

同様に、宿題も廃止するべきだと思う。会社の仕事を家に持ち帰るのは好ましくないことだし、時間内でどれだけ効率よく勉強するかが重要なのだ。 また、学校だけで教育が完結する時代は終わっている。塾に通ったり、スポーツや芸術等の習い事をする学生も少なくない。それなのに、宿題を出すことは、学校以外の教育を妨害しているとしか思えない。 宿題を廃止しても、自主的に自宅で勉強する人はいるだろうし、試験の範囲を広く設定すれば、自主的に試験勉強をするはずである。強制的な宿題を廃止し、自由な学習の目標を提示することが必要である。

編集後記「締めの都々逸」

「社会に開かれ自由に学び個々の能力高めたい」

密室って良くないと思います。学校は先生といじめっこの帝国です。職員室も居心地の悪い変な空間ですね。先生が一人になれないのも良くないと思います。大学の研究室みたいなものが必要でしょう。 日本の先生の業務時間は世界でも相当長いようです。しかし、授業時間は短い。つまり、間接的な業務が多い。これは改革できるはずです。クラブ活動も地域主体に変えてもいいかもしれません。但し、コーチは資格制度を整備して、報酬を支払うべきです。一つ一つの業務があまりにも前時代的であり、世の中の進化に追いついていません。このままだと塾に運営を任せた方が良いかもしれません。

いじめだって、本気でなくそうと思えばなくせます。しかし、自分たちの組織や手法を変えたくない。既得権を守りたいので、改革ができない。学校を社会に開きましょう。外部の人材を受け入れましょう。そして、問題を解決しましょう。(坂口昌章)

※表記に間違いがあり、本文の一部を訂正しました。(2019年8月26日)

image by: Shutterstock.com

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