お酒のアテに最高な一品といえば、焼き厚揚げ。ところが自宅で居酒屋の味を再現しようとしても、なかなかうまく行かないのが現実です。今回の今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では、著者で元プロの料理人・佐藤 周生さんがそんな悩みを解消すべく、「目からウロコ」の焼き厚揚げ調理法を紹介しています。
焼き厚揚げは、“この調理法”がベスト!
佐藤です。今回は、居酒屋料理の定番「焼き厚揚げ!」を伝授します。
炉端焼きで食べる「焼き厚揚げ」、美味しいですよね。あれ、何で美味しいかというと一番のポイントは、適度な“焦げ目”。厚揚げは、揚げてあるので油が表面に含まれていて、直火に当たるほど焦げやすいのですが…。その焦げがある方が香ばしくて、美味しく感じるのですね。なので、厚揚げは、焼いたり炙ったりして食べるのがおすすめなんです。ですが、厚揚げは“厚み”があります。例えば、フライパンで焼くと中まで熱が通るまでそこそこ時間がかかる。じっくり長く焼く必要があるので、焦げすぎないように“弱火”が鉄則。強火で焼けば、中まで熱が入る前に表面が真っ黒になりますからね。だから、弱火…。
でも、この焼き方だと今度は、香ばしさを出すための焦げ目がなかなか付かないですし、弱火ですから時間もかかる。網焼きの場合でも、同じだと思います。そこで、焼き厚揚げを作る際のおすすめの方法は…「お湯で茹でて、直火で炙る」。茹でる方法なら、強火で加熱しても焦げることはありません。お湯で茹でて、中まで熱を通しておいて後は、網などにのせて、コンロの直火で炙って適度に“焦げ目”を付けるだけ。このやり方のほうが、フライパンで焼くより若干早い。茹でて中まで加熱しておけば、表面に焦げ目を付けるだけなので、強火で一気に炙れます。茹でるが3分くらい、炙る作業は、1分もかからないと思います。調理時間たった4分程度で最高に美味しい「焼き厚揚げ」が作れます。で、茹でる作業には、“油抜き”の効果もあります。市販の厚揚げや油揚げというのは、多くの場合、安い油を使って揚げているので、油の質がよろしくない…。私が居酒屋で働いていた時も、原価をできるだけ下げる必要があったので、そのような安い油を使ってました。一回使うだけで、けっこう酸化してクサイ…。一斗缶で1,500円くらいだったと思います。料理の修行をした天ぷら専門店で使っていた油は、一斗缶で6,000円。この値段の差ですから、油の質の差もかなりあるのではないかと…。私の地元に手作りの豆腐屋さんがあって油揚げも手作りしていますが、外に並べられていた空の一斗缶をみると、当時、私が居酒屋で使っていた油と同じでした…。なので、健康を考えるなら市販の厚揚げや油揚げは、「油抜き」した方がいいと思います。その点、今回の焼き厚揚げの調理法なら、“茹でる作業”で加熱しながら「油抜き」もできます。
で、1つだけこの調理法のデメリットがあります。それは、表面がカリッとならない。茹でるので、水分を含んでしまいちょっとベタっと仕上がるのですね。もし表面をサクっとした食感にしたいなら、弱火で長めに炙って下さい。時間をかけるほど、サクサクっとした食感になります(水分がなくなるので)。時間との相談ですが…。べちゃべちゃで食べにくい、ということは無いので、サクサクにこだわらなければ、美味しく食べて頂くことができます。
私、先日久しぶりに焼き厚揚げを作って食べました。やっぱり出来たて、熱々は最高に美味しいです。熱々だからこそ、炙った焦げの香りが引き立って美味しさが増します。それでは、詳しいレシピを見て下さい。
レシピ
【材料】(1人前)
- 厚揚げ……1丁
- おろし生姜、刻みネギ、花カツオ……各少々
1.湯を沸かし沸騰したところに厚揚げを入れて、強火の弱で2分半~3分茹でます。
2.このように油が出てくるので、玉じゃくしですくい取って下さい。
3.ザルに空けて水気を切ります。
4.コンロに網をのせ、中火~強火で炙ります。
網が無い場合は割りばしで挟んで炙って下さい。
5.少し焦げ目が付くくらいまで炙ります。
全体に焦げ目が付いたらOK!焦げないように弱火で何度も返しながら、長めに炙れば表面がカリッと仕上がります。
6.まな板にのせ、4等分に切ります。
7.器に盛ります。
8.おろし生姜、刻みネギ、花カツオをのせて完成です!
醤油をかけて食べて下さい。
お好きな酒類を準備しておいて、熱々で食べるのが最高に美味しい食べ方です。厚揚げを買って、作ってみて下さい!