女性の育児休暇取得率は8割超とされていますが、この数字はあくまでも「在職中に出産した女性」が分母です。
つまり、出産を機にやめた女性は含まれていません。
第1子を出産した女性のうち、出産に伴い仕事を辞めた人は33.9%もいるのです。第2子出産を機に辞めた人は9.1%、第3子出産時では11.0%。出産を機に離職する女性は20万人と算出されています(第一生命経済研究所熊野英生首席エコノミストが、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査などを基に試算)。
もっとも希望して専業主婦を選んだのなら問題ないかもしれません。しかしながら、1997年以降共働き世帯数は専業主婦世帯を上回り、最新のデータでは共働き世帯が1,219万世帯に対し専業主婦世帯は600万世帯。
辞めなくてはならない理由は「職場の問題」だけではなく育児の大変さがあるのではないか。男性の育児休暇がいまだ取りづらい状況で、新米ママさんたちがどれだけ負担がかかっているか。ましてや双子や三つ子となれば…。たとえ育児経験がなくとも想像できるはずです。
電車や飛行機で赤ちゃんが泣く声に怒声を浴びせる人々。ベビーカーで電車に乗り込むお母さんに冷たい視線を注ぐ人々。自らも目を真っ赤にしながら、泣き止まぬ赤ちゃんを必死にあやす母親。
行政の支援もさることながら、「私」たちのちょっとした行動が母親をサポートできる場面もあると思うのです。
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※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年12月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。