メルカリで承認欲求が満たされる?利益「百円以下」出品者の心理

2019.12.20
by MAG2 NEWS編集部 HY
 

売れることによる承認欲求の充足で、つい「ハマる」

マーケティングライター、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は、今回の調査から新たな消費者心理「メルカリハイ」の実態が見えたとして、次のようなコメントを寄せています。

いまや日本のフリマアプリ利用者は、延べ3,000万人以上にのぼる時代(2019年 ニールセンデジタル調べ)。人気の理由を「不要品をお金に換えられるから」と解釈する人もいますが、今回の調査では、同利用者の約4人に1人が、いわゆる「少額取引利用者」であることがわかりました。それだけ、単なるお金儲けとは違う「別の価値」を実感している人が多い証拠でしょう。
また、少額取引を行う男女の6割以上が、フリマアプリの利用によって「モノを捨てる罪悪感」から解放されたと回答。彼らは、高額取引利用者より「捨てることがもったいない」との意識も約2割高く、元来「サステナビリティ」や「SDGs(持続可能な開発目標)」などの志向を持った、環境意識が高い消費者なのかもしれません。

出品した商品が売れることで、利用者の7割以上が「承認欲求が満たされる」と感じることもわかりました。しかもその充足感は、SNSでコメントされるときより高い。私たちが消費者に取材しても、一部の男女の間では「メルカリハイ」と呼ぶべき心理状況が発生しています。これは、メルカリに出品した商品が売れると、「誰かに価値を認めてもらえた!」と嬉しくなり、つい普段から「他にも何か売れるモノはないか」と探してしまうこと。

今回の調査でも、5割以上の男女が、フリマアプリの利用後に「身の回りで売れるモノを探すようになった」と答えており、自己承認を得られたことでハイになり、いつの間にかモノをやり取りする喜びにハマっていく様子が見てとれます。

たとえ少額の利益しか得られなくても、出品した時点で「捨てる罪悪感」から解放される。さらにそれが誰かに売れることで、高度な「承認欲求」が満たされる。そしてそれが一種の快感「メルカリハイ」へと繋がり、つい身の回りの売れそうなモノを探すようになる…。フリマアプリは、環境への配慮だけでなく現代人のストレス緩和にも貢献する、重要なサービスに成長したと言えるでしょう。

※1:出典「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)
※2:「3回に1回以上の頻度」で100円以下の利益でフリマアプリに出品する利用者515名
※3:本調査では、「100円以下の利益で商品を出品するフリマアプリ利用者」を「少額取引利用者」、「最低1,000円以上の利益を見込んで商品を出品するフリマアプリ利用者」を「高額取引利用者」と記載します。

source:PR TIMES

image by:II.studio / Shutterstock.com

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