【書評】歴史が告げている。なぜ中国は2020年で終焉を迎えるのか

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元産経新聞の記者でジャーナリストの高山正之氏が辛口なコラムでお届けする「変幻自在」シリーズ。今回取り上げるのは、「中国は2020年で終わる」というなかなかセンセーショナルなタイトルな本。経済成長が減速してきたとはいえ、まだまだ世界に与える影響が大きい中国。なぜ2020年で終わってしまうのでしょうか?そしてその根拠とは?無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが、この本に関して解説。柴田さんの視点からレビューしています。

偏屈BOOK案内:高山正之『変見自在 中国は2020年で終わる』

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高山正之 著/新潮社

世に蔓延るまやかしを一刀両断、変見自在シリーズの第14弾。いつもと同じ、すごいことをもったいつけずにさらっと書く。イントロは「朝日新聞はお世辞でなくつまらない」ときた。売りのひとつの「天声人語」は、コラムと思えない説明調で、文章が下手で、構成が同じで、誰も知らない本や人物を引き合いに出し、大方は「それにつけても日本は悪い」で終わるのがお約束である。

どこまでも日本をくさす一方で、中国朝鮮には目いっぱいの温かいご配慮で。さて、著者が「中国は2020年で終わる」という根拠は。中国は他国から先端技術を盗んで模造品を作り儲けてきた。新幹線もどきがいい例。だが、もうその手は使えなくなった。加えて、「共産党国家72年説」がある。共産主義国家はポコポコ生まれたが、みな短命で潰れた。一番長いソ連でも72年で終わった。

「中国共産党政権は2020年に72年目を迎えた。この辺が限界だと歴史も福島香織も言っている」って(笑)。朝日は経済同友会代表幹事の小林喜光を担ぎ出し「技術大国ニッポンは過去のもの。今や技術は中国に奪われ、通信はファーウェイの独壇場なのに、日本はそんな状況も自覚しないゆでガエル状態にある」「劣化した日本人は新しいものに挑むエネルギーもない」といわせる。

だが日本は、ずっと挑戦を続けてきた。70年代には原子力駆動の船をソ連に続いて独自技術で生み出した。世界に先駆けて高速増殖炉の実用化にこぎつけた。だがこの二つも、朝日主導のフェイクニュースで潰された。朝日はどこまでも、いつまでも、日本を貶め続けているが、2020年に中国が先に終わるかも……。「朝日と経済同友会がなくなるとき、日本の空は晴れ渡る」と著者は結ぶ。

「韓国に6人もいたまともな人たち」とは。ソウル大学経済学名誉教授の李栄薫(68)ほか5人の学者を指す。彼らが執筆した『反日種族主義』がソウルでベストセラーになっている。日本でもベストセラーになっている。近くの大型書店でも、入ってすぐの新刊書コーナーに山積みで、よく売れていると聞く。

高山は「文在寅の言う日本観とは180度違う。いずれは親日派の烙印が押されて発禁、逮捕となるのだろう」と書くが、今のところはそうなってはいない。「韓国人はみんな文在寅か若宮啓文かと思っていたから6人もまともな人がいたことに大いに驚いた」。ニューヨーク・タイムズのコラムには「日本と韓国は言語も文化も殆ど一緒。本来なら親友同士で少しもおかしくない」とある。

世界にはまだそう思っている無知な報道人が、実はたくさんいる。日本語と韓国語には、語彙も文法も発音も何の共通点もない。「日韓の軋轢についても知識がない。ほとんど朝日新聞の引用で済ませている。それで日本を見下す。先の大戦で祖国が植民地を失った、そんな底意で書かれた低レベルの記事だ」

ドイツ人は日本が嫌いだ。堀場製作所が作った小さな測定機器により、大黒柱ワーゲンの排ガス測定不正がバレて、膨大なリコールと賠償訴訟の対応に追われた。それで日本に逆恨み。かつて第一次大戦でも日本にアジアの権益を奪われ、しかも寛大に扱われてますます不快。どれほど悔しいかドイツ人は語らないが、とにかく日本が大嫌い。ドイツ好きの日本人は多いが、片思い、勘違いです。

編集長 柴田忠男

image by: Cividin / Shutterstock.com

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