安倍首相は2月29日18時より、新型コロナウイルスの感染拡大防止策をめぐって、初めて国民に向けた会見を開いた。同会見では、臨時休校の要請についてや今後の対策、これまでの対応についての反省点などについての質問もあがったが、国民の理解を得るための説明が不十分だったと、ネットなどで批判の声が殺到している。同会見については、毎日新聞、朝日新聞、Yahoo!個人など報道各社、大半のメディアが報じていた。
責任から逃げるつもりは毛頭ない、としつつ、「次の予定あり」で質問からは逃げました。ちなみに次の予定は私邸に帰宅です。 https://t.co/OOi0wNob0v #毎日新聞 #ニュース
— 毎日新聞ニュースのとびら (@Mainichi_tobira) February 29, 2020
希望語るも、具体性に欠けた冒頭発言
首相は冒頭で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには「今後1〜2週間が瀬戸際」とし、大規模イベントの中止または延期要請について改めて言及。スポーツジムやビュッフェスタイルの会食での感染例について触れ、当面控えるよう呼びかけた。また、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の臨時休暇については、「3月は学年の最後、卒業前、進学前の大切な時期」と触れ、断腸の思いと述べた。
企業に対しては「お子さんのおられる従業員の方々への配慮をお願いいたします」と述べ、負担軽減に向けて小さい子どもを預かれるための対策を講じるとし、休職に伴う所得の減少にも新しい助成金制度を創設するとの旨を発表した。
ほかにも、感染拡大を防止するためにもテレワークなどITの活用を進め、未来を先取りする変革対応を進めると明言。PCR検査については、現在2、3時間を要しているウイルス検出作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めていると明かした。最後に、新型コロナウイルスの収束について「険しく厳しい戦い」と表現し、「私たちは必ず乗り越えることができる」と希望を語った。
臨時休校の要請
首相会見では事前に質問者が指名されており、質問内容も事前に首相官邸に送られていた。質問の内容は、臨時休校の要請についてや今後の対策、これまでの対応についての反省点についてである。
臨時休校について要請した日に詳しい説明がなく、学校や家庭などに大きな混乱を招いたことに対して質問されると、「判断に時間を欠けているいとまはなかった」とし、十分な説明がなかったことについては「確かにその通り」と認めた上で「責任ある立場として判断をしなければなかったということで、どうかご理解をいただきたいと思います」と回答。国民生活や経済への影響、感染をどこまで抑えることができるのかといった今後の見通しについては「私の責任において万全の対応を行って参ります」というに留めた。また、習主席の訪日やオリンピック・パラリンピックの開催については予定通り行う予定だという。
今後の対策について
今後の対策については、「あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小とするために立法措置を早急に進めて参ります」と回答。今年度は2700億円を超える予備費があることを明かし、この予備費を活用して緊急対応策を速やかに取りまとめるとのこと。また、マスクやトイレットペーパーなどが不足していることについては、「マスクの増産支援を行なっており、3月は月6億枚以上の供給を確保する」「トイレットペーパーはほぼ全量が国内生産のため冷静な購買活動をお願いしたい」と述べた。