【映画評】日本の政府関係者に観てほしい10年前のコロナ予言映画

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新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こしたさまざまな事象を予言するかのように描いていた映画があると話題です。2011年公開の映画『コンテイジョン』で描かれた世界が、現在の状況とぴったり重なると驚くのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さんです。小川さんは新型コロナ対策に取り組む政府関係者こそ、映画と馬鹿にせずに観てほしいと伝えています。

コロナを予言した10年前の映画

先週末、ネットフリックスで『コンテイジョン』というアメリカ映画を観ました。Contagionとは、感染という意味です。いやはや、とても参考になりました。2010年製作の映画だというのに、そのリアルさと言ったら。いまのコロナのパンデミックと、ぴったり重なっているのに驚かされました。

この編集後記を書き始めてからWikipediaで知ったのですが、Newsweek日本版(4月8日号)は次のように伝えています。

「新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、2011年の映画『コンテイジョン』(スティーブン・ソダーバーグ監督)で描かれた状況が、今の世界によく似ていると注目が集まっている」

香港から全世界へと感染拡大。正体不明のウイルス。セキ、発熱という感染者の症状。コウモリ、養豚場、子豚の肉、それを調理したシェフと握手、マカオのカジノでの隣の客との濃厚接触…。

感染拡大に伴うパニックが米国を舞台に描かれていますが、CDC(疾病予防管理センター)の活動、人の集まる施設の休業、公共交通機関の休止、ソーシャル・ディスタンス、州兵部隊を動員したロックダウン、WHO(世界保健機関)、ワクチン開発の様子、ネットで広まっていくニセ薬…。

いまの世界の状況とどこまでも重なる展開に、身につまされて観ることになりました。コロナのパンデミックがなければ、この映画は大して面白くないスリラー映画として、取り上げる気にもならなかったでしょう。それが現実とオーバーラップしながら迫ってくるのは、正確な考証によるものだと思います。

製作者たちはCDCや他の感染症の専門家から情報や助言をもらったとのことですが、さきほどのNewsweek日本版によると、考証を務めたイアン・リプキン医師もCOVID-19に感染した事が複数のメディアで伝えられているそうです。

政府の皆さんも、たかが映画と馬鹿にしたりしないで、じっくり見ていただきたい。情報専門家の世界では、情報はそれを取りに行った人間のレベルに見合った情報しか手に入らない、と言います。この映画からどんな情報や教訓を引き出し、今後の対策に活かしていけるか。のちの歴史に「日本政府はバカの集団だった」と書かれないようにしてほしいものです。(小川和久)

image by: Laurie A. Smith / Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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